私たち、出逢わなければよかった Vol.5

「婚約者を裏切り、他の男に身も心も委ねてしまった…」その後、女を待ち受けていた修羅場とは

かつて好きだった彼との再会。その思いが再燃してしまった時、人は恋心を抑えることができるのだろうか。

堰を切ったように溢れ出す感情。恋人も家族も敵にまわして貫く恋。

「ねえ。私たち、出逢わなければよかった…?」

安定した未来を捨ててまで燃え上がってしまった、恋の行方とは。

◆これまでのあらすじ

高校時代の家庭教師・麻生と再会してしまった菜々子。あの頃の甘酸っぱい思い出に浸るうちに、本気で彼に惹かれていくようになり…?

▶前回:惚れた男との、突然の別れ。最後に渡された手紙の中に書かれていた、まさかの内容とは


― あれ?

帰宅した信也は、真っ暗な自分の部屋を見て首を傾げた。慌ててスマホを確認するが、菜々子からは何の連絡も入っていない。

日にちを間違えたのだろうか。そんなはずはないと思いながら、LINEを開く。トーク履歴を見ると、今朝8時32分。たしかにこう送られてきていた。

『おはよう。今晩は夕食作って待ってるね』

手土産に買ってきたあまおうのタルトを冷蔵庫に入れながら、スマホをタップして彼女に電話をかける。

だが呼び出し音が鳴るだけで、出る気配はない。10分ほど空けて再度かけてみたものの、応答はなかった。

『今日、来る予定じゃなかった?』

LINEを入れて返事を待つが、一向に既読にならない。

「菜々子、どこで何してるんだよ!?」

苛立ちを隠しきれず、信也はベッドにスマホを投げつけて叫んだ。

例のプロジェクトが始まってから、彼女は明らかにおかしい。ずっと、モヤモヤとした不快感が蓄積されていたのだ。…いやな予感が脳裏をかすめる。

― もしかして他の男か…?

「そんなの、許さない」

だから信也は、ある行動に出ようと決めたのだった。

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