SPECIAL TALK Vol.77

~自分の目で現地の状況を見て、伝える。興味の赴くまま、自分にできることを見つけてきた~

金丸恭文氏 フューチャー株式会社 代表取締役会長兼社長

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。神戸大学工学部卒業。1989年起業、代表取締役就任。

好奇心は抑えられない。建築で新たなチャレンジを

金丸:さて、知花さんは結婚されて、お子さまもいらっしゃるそうですね。

知花:はい。一昨年の秋に娘が生まれました。今は子育てをしながら、お仕事やWFPの活動をさせていただいています。夫はWFPの活動に理解があって、私から話を聞くだけでなく、同じ景色を見たいと思ってくれています。娘が旅行できる年齢になったら、家族みんなで訪問したいですね。

金丸:お子さまにはどんなふうに育ってほしいですか?

知花:私自身がたくさん旅をするなかで、世界にはいろいろな暮らしがあって、いろいろな人生があるのを見てきました。日本の常識や尺度はあくまでも日本のものです。世界は広くて、基準はそれぞれであることを知ってもらいたいので、できるだけ外の世界と行き来できるような機会を与えられたらいいなと思っています。

金丸:コロナ禍において、これから先を不安に感じている方、特にお子さんを持つお母さんたちの不安は大きいと思います。知花さんはどのようにお考えでしょうか?

知花:先が見えないという不安は、仕方ないですよね。私も漠然とした不安はありますが、最近は、今与えられた場所でできる限りのことをして、それを毎日積み重ねていくしかないと考えるようになりました。私の場合、自分のこれからの可能性に投資しているというか、そのために準備している感覚があるので、救われているのかもしれません。

金丸:というと、何かまた新しいことに挑戦されているのですか?

知花:実は今、通信制の大学で建築を学んでいます。

金丸:また、なぜ建築を?

知花:沖縄の祖父の土地と家を相続したんです。慶良間(けらま)諸島の慶留間(げるま)島という、本当に小さな島にあるのですが、思い入れのある土地だし、家を建て直したくて。だったら、施主も建築の知識があったほうがいいだろうと思ったのがきっかけです。

金丸:建築士の資格を取られるんですか?

知花:目指しています。もちろん、かなり難しいことは覚悟しています。今は卒業を目指してヒーヒー言っているところで、片手で食べられるものでご飯を済ませたり、模型を作っていたら朝日が昇り、娘が起きてきて全然眠れなかったりと。とにかく綱渡り状態です。

金丸:知花さんは興味の幅がものすごく広いし、挑戦することに躊躇しませんね。

知花:そうですね。ただ、建築を学ぶと決めたときは、勉強する時間を捻出するためにどうしても何かを諦めないといけなくて。書道のジャンルのひとつに、古筆というものがあるのですが、そのお稽古だけは泣く泣く削りました。

金丸:古筆ですか。また新しい分野が出てきた(笑)。何かに心を動かされたら、すぐに始めちゃう人って、多分、成功体験があるんでしょうね。そんなふうに軽やかにいろいろな挑戦ができるというのは、素直にうらやましいです。

知花:好奇心が旺盛で、みんなに「どこに向かっているの?」とよく言われます。傍から見てると、全然違うことをいっぱいやっているように見えるみたいで。でも自分のなかでは根っこがつながっているので、まったく違和感はないんですけどね。

金丸:慶良間に家が建った暁には、ぜひ見てみたいです。ところであの一帯の海は“ケラマブルー”と称され、ダイビングで世界的に有名ですよね。私もマンタが泳いでいるのを目の前で見ました。

知花:慶良間の海は大好きです。ちなみに私も仕事の都合で、ダイビングの資格を取りました。

金丸:最後にまた資格情報が(笑)。これからも知花さんが多方面で活躍されることを期待しています。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。

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