本命昇格・虎の巻 Vol.10

“都合のイイ関係”から、足を洗う方法って…?「本命昇格・虎の巻」全話総集編

連絡はろくに返してもらえず、相手の好きな時にだけ呼び出され、用が済んだら追い返されるー。

そんな「都合のイイ関係」に苦しむ男女。

好きになった方が負け。結局そのままズルズルと振り回され、泣きを見る者が大半だろう。だけどもし、そこから形勢逆転する“虎の巻”があったなら…?

坂本なつめ(28)は、幼馴染の宮本蓮が大好き。でも彼はある女性の「都合のイイ男」にされていた。

なつめは好きな男のために、一肌脱ぐことを決意する。

諦めないで。私が本命になる方法を伝授しましょう。

「本命昇格・虎の巻」一挙に全話おさらい!

第1話:さんざん弄ばれたけど“都合のイイ関係”を脱却したい…28歳女が教える必勝法

「私が蓮に、『本命昇格・虎の巻』を伝授してあげる」

全く何が悲しくて、敵に塩1トン送るような真似をしなくちゃいけないんだ。好きな男が他の女と成就できるよう、力を貸すなんて。

でも、何でこんなことになったのかと振り返れば、2カ月前。

あんな綺麗な人に蓮を引き合わせてしまった私、坂本なつめが原因なのである。

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第2話:誰にも秘密で、年上女のマンションに呼び出され…。ドアを開けるなり、男が女からされたコト

マイコさんは私が蓮を好きだと知っている。

加えてあの時マイコさんにうまく乗せられて、「彼も私を好きなんじゃないかなって思うんですよね、だって私以外の女子と会わないっていうんですよ」とも口走ってしまった(今思えば軽率すぎた)。

マイコさんは「うちに任しとき!絶対なつめちゃんと蓮くんくっつけたるから」と豪語していたが、現実としてこの会が幕を開けてみると、どうでしょう。私は猛烈に、後悔の念に駆られていた。

ー彼女が何か、まずいことを言ったらどうしよう。例えば私が蓮を好きだとか…。

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第3話:2週間ぶりに食事した後、さっさとタクシーに乗せられて…。女が男からされた酷い仕打ち

音の漏れ出るドアの前に立った時、キュッと蛇口をひねる音と共にシャワーが止まった。蓮は、ドアノブに手を伸ばす。扉を開けると、一気に蒸気が広がった。

「わ、びっくりした」

タオルで艶やかな黒髪をぽんぽんと拭いながら、マイコは声を上げた。

バスローブ姿に、目を奪われる。くっきりとした目鼻立ちはそのままに、化粧を落として少し素朴になった顔。昨夜のひと時が脳裏に蘇り、蓮は思わずその細い腰に腕を伸ばした。

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第4話:今夜そのまま泊まろうと思ったら…年上の美女が男に差し出した、信じられないモノ

ーここからなら、代官山の『GARDEN HOUSE CRAFTS』までタクシーで10分もかからないくらいだな。マイコさんはあのテラス席がよく似合うだろうな。

思いを巡らせながら顔を上げると、喜ぶと思ったマイコは想像に反して、曖昧な表情を浮かべていた。

「んー…っと」

華奢な手がカップをソーサーに戻す。マイコはおもむろに立ち上がり、ウォーターサーバーの横に置いていたFENDIのハンドバッグから財布を取り出し、そして。

「ごめんね、今日は一人で寝たい気分なの。タクシーで帰ってくれる?」

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第5話:「とにかく言葉で伝えて、相手を気持ちよくさせて」。都合のイイ関係の男女が本命になるためには…

蓮は声のトーンを下げ、手にしていたモヒートのグラスを置いた。深呼吸。一度窓の外を見て、もう一度深く息を吸って吐く。めちゃくちゃ緊張しているその様子に、私まで手に汗をかいてきた。

「実は、す…好きな人ができて」

どきどき。心臓が痛いほどに脈打つ。「それは君なんだけど」的なパターンか。

「付き合いたいんだけど、付き合う気はないって言われて…」

あれ…?

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第6話:男が放っておかない美女。彼女を落とすため“あるルール”を1週間徹底してやってみたら?

「とにかく褒める、甘える、愛を伝える…」

シモンズのセミダブルベッドに横たわったまま、蓮は呟いた。

マイコの「都合のいい男」になってしまったことをなつめに打ち明け、早3日。マイコから音沙汰はない。

なつめに伝授された「本命昇格・虎の巻」第1弾は、蓮にとってハードルの高いものだった。

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第7話:何カ月も弄ばれていたけれど…。ついに美女に「今夜デートしよ♡」と言わせた、男の作戦

先週、「ディナーの席で次の作戦を伝授する」と蓮に伝えたのは記憶に新しい。ところが約束当日の午後、「マイコさんに呼び出された」ということでリスケされて今に至るのだ。

都合よく扱われてる人って、こういうことを平気でする。私も身に覚えがあるからよくわかるが、もはや一種の病だ。

自分を本当に大切に考えてくれる人を後回しにして、自ら搾取されに行く。こうやって友人を失うパターンは多々あるが、とはいえ私にとって蓮は大切な人。助けたいし、幸せになってほしい。私はマグカップをテーブルに置き、蓮を見つめた。

「次の作戦は…」

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第8話:異性の存在をちらつかせて嫉妬心を呼び起こし…?弄ばれた男がした、美女への反撃

「好き」「あなた以外考えられない」と、とにかくストレートに愛を伝える作戦1。弱ってるところを支えて甘えさせ、存在感を大きくする作戦2。

「で “異性の存在をちらつかせて嫉妬心を呼び起こす”っていうのが、作戦3」
「そんなことして『じゃあ蓮くんはその女の子と付き合ったら?』とか言われない?」

電話口からでも、弱腰な様子が丸わかりだ。

「そう言われたら、全く本命にしたいと思われてないから身を引いたほうがいいと思う」

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第9話:「怖くて言えない…」男が怖気づいた、都合のいい関係に終止符を打つ究極の二択

マイコさんの反応は想定内のリアクションだった。自分に服従しているはずの人間がほかの異性に目移りし始めると、少なからず嫌な気持ちになるものだからだ。

驚いた蓮がぱちくりと瞬きしているのを見て、私は誤魔化すように水を一口飲んだ。ちょうど注文を取りに来たウェイターに、ブレンドコーヒーを2つ頼む。

気を取り直して蓮に向き合い、私は「嫉妬心と恋心を勘違いし始めてるかもね」と続けた。

「最終段階に入ろう。蓮も覚悟しなきゃいけないけど」

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