黒ずきんちゃん Vol.8

「君の友達から、奇妙なLINEが届いた…」ある日突然、身に覚えのない事件に巻き込まれた女

―もしあなたが、 ”善人の顔をした悪魔”と仲良くなってしまったら…?

世の中には、こんな人間がいる。

一見いい人だが、じわじわと他人を攻撃し、平気で嘘もつく。そうして気がついた時には、心をパクッと食べられている…

そう、まるで赤ずきんちゃんに出てくるオオカミのように、笑顔の裏には激しい攻撃性を隠しているのだ。

◆これまでのあらすじ

ユリアとは距離を置くと決めた途端、誰かから結衣の上司宛に“愛人をしている”と事実無根の嫌がらせのメールを送られた結衣。真っ先にユリアを疑うが…?

▶前回:「奥さんが傷ついているので、やめてください」会社に届いた一通のメールで、女の日常が壊れ始め…


「どうして私なの…」

“私が愛人をしている”という事実無根のメールが、クライアント宛に送られてから一週間。

配慮のある上司のお陰でそこまで大事にはなっていないものの、一部には漏れているのか、会社へ行ったらヒソヒソ話が聞こえる。

本当のことだったら仕方がない。それは自分が蒔いた種だから。

だが全く身に覚えのない噂で、しかも仕事とは何の関連もない理不尽なことで足元をすくわれたのが悔しすぎて、雨が降りしきる赤坂の街を、唇を噛みしめながら歩く。

なんとか涙をこらえていたけれど、精神的にはすっかり参っていた。

段々と雨脚が強くなり、傘に当たる雨の音が大きくなる。不意にどこかから、カツカツというヒールの音が聞こえた気がした。

ーあの女が、やってくる…。

この都会のどこかに潜む黒くて大きな闇に呑み込まれそうな恐怖を覚え、慌ててタクシーに飛び乗った。

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