スパイシー・デイズ。
それは、自分を見失うほどの恋に苦しんだ日や、
仕事のミスが悔しくて涙を流した夜、
もう来ないとわかっているはずなのに返事を待つ、あの瞬間。
ほろ苦いように感じるけれど、
スパイスのように人生の味つけをしてくれる。
今回紹介する彼女が過ごすのは、どんなスパイシーデイズ...?
「スパイシー・デイズ」一挙に全話おさらい!
第1話:「30歳になってフリーだったら結婚しよう」男女が交わした約束の結末
「あ〜、このまま彼氏できなかったらどうしよう」
眉毛をハの字にさせながら忙しなく身体を揺らし始めた香織を見て、涼太は大きな口を開けて笑う。
「じゃあさ、30歳になってもお互い恋人がいなかったら結婚しようぜ」
「いいね、それ。名案!」
ポンっと手を叩くと、香織は涼太と目を合わせて笑った。30歳まで残り半年を切った、暖かな5月の夜だった。
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第2話:「計画が台無し…」大切な男の誕生日をブチ壊した、女の行動
「あれ、来週の月曜、理玖さんの誕生日じゃん!」
「え!でも月曜日なら、まだ準備は間に合う。お店予約してプレゼント買って、あと何しよう?」
腕を組み、椅子でくるくると回りながら考える翔太を横目に、梨沙子は手元の手帳に準備物を書き出し始めた。理玖は今年で33歳。チームリーダーとしては若い部類だが、そのテキパキとした仕事ぶりと愛嬌から、社内外からの信頼が厚い。
そんな尊敬する先輩だからこそ、誕生日のサプライズも、絶対に成功させたかった。それなのにまさか、最悪の月曜日になるだなんて、この時の梨沙子は思いもしなかった。
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第3話:俺に足りなかったものって…?歴代の彼女たちを不満にさせていた男が、気づいたこと
蓮が絵理と出会ったのは、2年前の夏だった。友達の開いた食事会で初めて出会ったはずなのに、気がつけばまるでお笑いコンビのように、絵理がボケて蓮が突っ込む流れが出来上がっていた。
すっかり意気投合して、あっという間に付き合い始めたが、その後も2人の関係は変わらず、冗談から真剣な話まで、なんでも言い合える仲だった。
今まで何人と付き合ってきて、初恋はどんな人で、初めての経験はいつで。
どんな隠し事もしない、言いたいことはストレートに伝える、それがいいことだと、蓮は思っていた。
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第4話:「他の女には言えて、私には言えないの?」デート中、彼女をガッカリさせた男の態度
「相談って、起業してる友達に?」
「そう。あとはIT企業の友達とか。同じネット広告系の仕事してるし、相談しやすいんだよね」
涼太の口から出て来たIT企業という単語を聞いて、瑠美は顔をしかめた。
「あぁ...あそこのキラキラ女子たちね」
瑠美の嫌味ったらしく放たれた言葉に、涼太は反応しなかった。あまりにも冷たい態度に余計イラっとした瑠美は思わず涼太を睨みつける。
「私にはなんの相談もしてくれないんだね」
「えっ?」
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第5話:「私ばっかり、我慢してない?」休日デートで彼女を怒らせてしまった、男の発言
元々グルメ且つお酒が好きだった智也は、大学卒業後、飲料メーカーに入社した。入社時から抱いていた和食屋を開きたいという智也の夢は、入社6年目になっても変わらず残り続けていた。
「そうそう。だから本当は日本酒の勉強をもっとしたいんだよね」
そう言うと、智也は天井からぶら下がる照明から、美波に視線を移した。
「あのさ、実は俺、美波に言わなきゃいけないことがあって」
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第6話:「なんで私にそんなこと?」転職先で、女が上司から言われて不満だったこととは
「お、ちょうどいいところに来た。こないだの案件のレポート、大体作ったから、最後に誤字とかチェックしておいて。あと、今持ってきてくれたその新聞広告は、スキャンしてパワポにまとめて、俺に送って」
悠美のトレーナーであり、チームリーダーの高木は今年で50歳。新卒からこの会社で働くベテランだ。過去には外資のファッションブランドを担当していたこともあり、ハイブランドのスニーカーをさらっと履きこなす、悠美が想像していた通りの「代理店の男」だった。
オシャレなおじさま上司に、かっこいい先輩。憧れの広告代理店生活が始まる...はずだったのに。
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第7話:「今夜の約束、どうするの?」デートの予定を確認した女が、男から言われた衝撃の言葉
もう16時だというのに、修太からは一向に連絡が来ない。忘れられていることはなかろうと思いながら、奈々美は不安な気持ちを打ち消そうと携帯を手に取る。
-奈々美:今日どうする?-
送ったあと少しばかり携帯を見つめていたが、何の返事もこないのを確認し、奈々美は鏡に向かって化粧を始めた。
20分ほどすると、携帯の画面が光ったのを視界の端で確認し、奈々美はパッと携帯を手に取った。
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第8話:「その態度、ちょっとウザい」男をジワジワ追いつめる、“オカン系”彼女の実態とは
「今じゃなくて、もっと前から言えたはずじゃない?」
「なんでいちいち言わないといけないの?」
皐月の怒りに釣られたように、一馬の表情が一気に曇り、皐月の方を思いっきり睨みつける。
「いちいち予定報告する必要ないだろ。なんでいつも俺の行動把握しようとするの?何してるの?誰と行くの?とか、いちいち干渉しすぎて、うざい」
予想外の一馬の怒りに、皐月は怯みながら「でも...」と言葉を発しようとする。だが一馬はこの後、さらに言葉を被せてきた。
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第9話:31歳、独身、実家暮らし。“独身コンプレックス”に苛まれる女の嘆き
“マリナ@バリキャリ商社女子:朝から不快なツイート見かけて最悪。30歳過ぎて独身ですが何か?”
自分とは違う名前で、本音を吐き出すことのできるTwitterの裏アカウントは、美咲にとって、唯一とも言える苛立ちのはけ口だった。
裏アカウントでのツイートを済ませると、枕元に携帯を放り投げ、美咲は大きなため息を吐きながら天井を見つめた。
-結婚、したいに決まってるじゃん。
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第10話:破局後2週間で、他の女と旅行へ行った元彼。未練が残る女が取った行動は
最後のデートで小さな喧嘩に火がつき破局に至ってから、もう2週間。加奈はその別れにまだ納得がいかずもやもやとした日々を過ごしていた。
今日もいつものように、裕翔のインスタグラムを開いてぼんやりと眺める。別れてからお互いにフォローを外したものの、裕翔の動向が気になってしまい、加奈はこうして定期的にチェックしていたのだった。
裕翔のストーリーズが更新されたことを知らせるように、プロフィールの画像に、虹色の縁が付く。すぐさまタップすると、そこに表示されたのは、旅館と思わしき部屋に写る、豪華な食事。
-まさか。いや、きっと男友達と...
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第11話:彼氏に「遅くなる日は、2時間おきに電話」と強制する女の闇とは
「そう。別れたけど、1ヶ月経ってもやっぱり翔太のこと気になるし、どうしても嫌いになれないし、欠点含めてお互いに直していきたいって思うし...これって真実の愛だったのかなって」
「じゃあ、なんで別れたのよ」
「うーん。不安だったんだよね、違う誰かのところに行ってしまいそうで。だから色々な約束事作っちゃって」
「約束?」と首を傾げる七海に、梨花は指を折って数えながら、つらつらとその「約束」を挙げ始めた。
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第12話:28歳女の友情にヒビが入った、女子会での何気ない一言とは?
突如として話題を変えてきた優花に見せられたLINEの画面には、母親から送られてきたベビー服の画像が映し出されていた。亜希菜は戸惑いながら、「へぇ〜」と一言だけ返事をする。
「他にも通わせたい小学校のリストとか姓名判断とかなんか色々送られてくるんだよねぇ、本当に辛いわ」
そう話す優花だったが、亜希菜には全く辛そうに見えなかった。
「既婚者にも私たちには理解できない辛さがあんのね」
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第13話:「35歳までに結婚してなかったら…」婚活中の女が、男と交わした約束とは
裕佳梨の嫌味に「いや、別にそんなことないんだけど...」とボソッと応じる淳太だったが、何よりも自分の恋人探しをしたかったので気にせず話を続けた。
「で、誰かいるでしょ、誰でもいいよ。私の持ち駒増やせれば、なんでもいい」
「さっきから人のこと駒って...」
「なんでよ、駒じゃん。所詮は、駒を揃えてその中から一番いいものを選ぶだけ」
そうあっさりと言い放つと、淳太は耐えかねたように声をあげた。
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第14話:3年間シングルだった28歳女が、たった2ヶ月で彼氏をゲットした戦略とは
「やばい、気づいたら今月で彼氏いない歴3年だわ」
目の前のクラフトビールをぐいっと一口飲むと、ほんのりと香る山椒が舌をピリッと刺激した。新たな出会いの場として賑わっているらしいから、どうしても行きたい!と美佳にお願いしてようやく来た虎ノ門横丁。
「台湾クラフトビール」という言葉に釣られて入った『TORANOMON BREWERY』で久しぶりに賑やかな華金を味わっていたはずが、横を通り過ぎたカップルを見て、紗羅の気持ちは現実に引き戻された。
「3年!?てことはあの大学時代から付き合ってた彼以来いないってこと?」
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