今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.36

蒸し暑い夜は、焼肉に“赤の泡”を合わせるのがワイン通!

ランブルスコにおすすめは真夏の焼肉、それに餃子


――意外とあるものですね、赤スパ(クラリン命名、赤いスパークリングワインの略)。先ほど、ランブルスコに生ハムの話が出ましたけど、赤スパはどのように楽しめば?


柳「甘口ならアペリティフの一杯に。オージーのスパークリング・シラーズは、食後に濃厚なチョコレートケーキやなめらかなチョコレートムースと合わせても美味しいよ。」

――おお、そんな楽しみ方も!

柳「それに真夏の焼肉ね。」

――焼肉?

柳「夏場って無性に焼肉食べたくならない?」

――なります、なります。スタミナつけないと暑さを乗り切れません。

柳「でも重い赤ワインは選びづらいよね。」

――たしかに。

柳「そんな時に赤スパは便利。炭酸ガスのシュワシュワ感が爽快だし、赤ワインならではのコクがあるので、赤身の肉にも全然負けない。」

――甘口でも?

柳「焼肉のタレがあれば問題解決。肉もワインも進む進む。とくに甘めのタレのジンギスカンには持ってこいだね。3密を避けて野外でバーベキューなら、赤スパが大活躍だ。」

――とてもマイナーな存在なのに、今年の夏は赤スパにはまりそうです。

柳「それからランブルスコの話に戻るけど……。ランブルスコにぴったりな料理が餃子だ。」

――えっ、餃子?

柳「エミリア・ロマーニャ州のボローニャに、トルテッリーニという豚ひき肉を詰めたパスタがある。これを餃子に見立てれば、同郷のランブルスコに合うのは至極当然。

以前、ワイン専門誌の特集で、餃子に合うワインを探したことがあったけど、その時もランブルスコの評価が高かった。とくにモデナ産のバルサミコ酢をお醤油にちょびっと垂らすと抜群に相性がよくなる。」

――今年の夏は焼肉、餃子、それに赤スパですね。

柳「そういえば、僕もこないだ、めちゃくちゃ美味しいランブルスコに出合ったところ、さっき話していた“美味しいランブルスコ”って?」

――あ、これです(スマホの画面を見せる)。

柳「えっ、カンティーナ・デッラ・ヴォルタ?僕もまったく同じ!」

たとえば、こんな1本
「トレンタセイ ランブルスコ・ディ・モデナ DOC カンティーナ・デッラ・ヴォルタ」

シャンパーニュと同じく瓶内二次発酵の伝統的製法で造られたランブルスコ。「トレンタセイ(36)」の名前通り、最低36ヶ月の瓶内熟成を施している。ドザージュ(澱抜き時の甘味調整)は5.5g/Lの超辛口。旨味のギュギュッと詰まったランブルスコだ。

¥5,000/アサヒグラント(株)五十嵐 TEL:03-5640-7691

教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。
迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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