彼女のウラ世界 Vol.9

「学歴も収入も負けている女と、結婚できる?」婚約破棄された男のプライドが、打ち砕かれたワケ

「僕は、彼女のことを何も知らなかった…」

プロポーズした直後、忽然と姿を消した彼女。捜索の手掛かりは、本人のものだと思われるインスタグラムのアカウントだけ。

―彼女が見せていたのは、偽りの姿だった?

インスタグラムに残されていた、慎ましやかな彼女の姿からは想像もできない世界とは…。

◆これまでのあらすじ

2019年4月。プロポーズの数日後、前触れもなく消えた敏郎の恋人・明子。手掛かりは、彼女のものと思われるインスタグラムだけだが、なかなか消息が掴めない。

そんな中、女友達・香澄から明子の姿をFacebookで見つけたと知らされ…?


「…誰だよ、こいつ」

神保町の『神田餃子屋』で、香澄から見せられた1枚の写真。

そこに写っているスーツ姿の男たちと、彼らに寄り添う明子の姿を眺めながら、敏郎は乱暴な言葉でつぶやいた。

「私も詳しいことは知らないけど、経営者の勉強会って書いてあるね」

香澄の言葉に誘導され、写真の投稿文をじっくり読み返す。

『2019年上半期の定例会が行われ、政財界のみならず多くの著名人の方々にもご参加いただきました』

写真は、その後に行われた会食の時の様子だという。

そこには、メディアにも多数出演している有名な飲食店の社長や、起業を目指しているという元スポーツ選手の姿もあった。

―なんだこれ。胡散臭いな…。

敏郎は目の前の事実を否定することで冷静さを保とうと努力する。

反対に香澄はその投稿の全てを受け入れ、納得しているようだった。

「半信半疑だったけど、やっぱり明子さんだったんだね。ここに来るような人なら、数年遊んで暮らせるお金があってもおかしくないよ。彼女、実は経営者か何かだったんじゃないの?」

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