黒塗りの扉 Vol.7

すでに罠に堕ちているのは、夫か妻か…。ジリジリと追いかけてくる、規則正しい革靴の音

東京のアッパー層を知り尽くし、その秘密を握る男がいる。

その男とは…大企業の重役でも、財界の重鎮でもなく、彼らの一番近くにいる『お抱え運転手』である。

時に日本を動かす密談さえ行われる「黒塗りの高級車」は、ただの「移動手段」ではない。それゆえ、上流階級のパーティではいつも、こんな会話が交わされる。

「いい運転手を知らないか?」

一見、自らの意思などなく雇い主に望まれるまま、ただ黙々と目的地へ向かっているように見える運転手が。

もしも…雇い主とその家族の運命を動かし、人生を狂わせるために近づいているのだとしたら?

これは、上流階級の光と闇を知り尽くし支配する、得体の知れない運転手の物語。

ようこそ…黒塗りの扉の、その奥の…闇の世界へ。

これまでのあらすじ


自らの手腕で成り上がった男・環利一(たまき・としかず)。利一は、新たに雇った運転手・鈴木明(すずき・あきら)の身辺調査を始め、その結果を別荘で彼に突きつけた。だが鈴木は、利一が雇っていた調査員・佐藤の存在にすぐに気づき、自身に関する情報を自ら佐藤に渡したと言うのだった。


「今すぐ佐藤さんにお電話されては?そして私が言っていることが本当かどうか、環さまご自身の耳と直感で…確かめられてはいかがでしょう?」

まるで自分の身の潔白を示すためのような、鈴木明の提案。その腹は相変わらず見えないままだが、利一は言われるまま従ってみることにした。

「そだ......


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