彼女のウラ世界 Vol.8

「僕が教えて、成長させてあげる」14歳年下の女にハマった男が、こっそり企んでいたこと

「僕は、彼女のことを何も知らなかった…」

プロポーズした直後、忽然と姿を消した彼女。捜索の手掛かりは、本人のものだと思われるインスタグラムのアカウントだけ。

―彼女が見せていたのは、偽りの姿だった?

インスタグラムに残されていた、慎ましやかな彼女の姿からは想像もできない世界とは…。

◆これまでのあらすじ

2019年4月。プロポーズの数日後、前触れもなく消えた敏郎の恋人・明子。手掛かりは、彼女のものと思われるインスタグラムだけだが、なかなか消息が掴めない。

何かのヒントになるかと前田を誘って呑みに行く敏郎だったが、そこで敏郎は、優里菜と出会ってしまい…?


敏郎が予約していたイタリアン『恵比寿es』の個室には、時間前にも関わらず、すでに優里菜が待っていた。

「ごめん、待った?」

「撮影終わって、今来たばかりだから大丈夫です」

にっこり笑う彼女に、敏郎の頬も緩む。『銀座 ライム』で出会った夜以来、敏郎は優里菜と何度か会うような間柄になっていた。

連絡先を交換したのは、明子のいない空虚な時間を埋めるための食事に、ただ付き合ってもらいたかっただけだ。下心など特にない。

しかし、彼女は思った以上に前のめりで自分に近づいてきてくれた。どんなに夜遅くてもLINEはすぐに返してくれるし、食事の誘いもこちらが指定した日時で融通を聞かせてくれる。

その素直さは、敏郎に対する好意を感じさせるほどだった。

「今日は個室までとっていただいてありがとうございます」

にっこりとほほえむ優里菜の笑顔がまぶしい。

「この前は大変だったからね」

優里菜は、敏郎の年代でこそピンと来なかったが、若い女性ファッション誌でレギュラーを張る人気モデルだった。

先日のデートでは彼女に合わせて若者向けの店を選んだため、優里菜だとバレてしまい、落ち着いて食事ができなかったのだ。

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