彼女のウラ世界 Vol.7

「家事さえしてくれれば、それでいい」婚約破棄された男の傲慢な考え

「僕は、彼女のことを何も知らなかった…」

プロポーズした直後、忽然と姿を消した彼女。捜索の手掛かりは、本人のものだと思われるインスタグラムのアカウントだけ。

―彼女が見せていたのは、偽りの姿だった?

インスタグラムに残されていた、慎ましやかな彼女の姿からは想像もできない世界とは…。

◆これまでのあらすじ

2019年4月。プロポーズの数日後、前触れもなく消えた敏郎の恋人・明子。手掛かりは、彼女のものと思われるインスタグラムだけだが、なかなか消息が掴めない。

そんな中、丸の内のパブで明子の姿を発見する。しかし彼女の隣には、エリート風の男たちがいて…?


―まさか、明子がいるとは…。

敏郎は今すぐにでも彼女のもとに駆け寄りたかった。

しかし彼女と同席している外国人らの存在と、法事帰りゆえに廉価品の喪服姿であるという事実が、衝動にブレーキをかける。

オーバーリアクションで笑う明子の背中を眺めながら、敏郎はイラだちが隠せない。

―本当の君は、そんなんじゃない。

2杯目のハイネケンを、敏郎は頼むことにした。

「すみません、同じのを…」

しかしバーカウンターで注文をしている間に、明子たちは席を立っていたようだ。敏郎が自分のテーブルに戻ると、明子の姿は見えなくなっていた。

唇を噛む一方で、声をかける勇気が出せなかった臆病者の自分をひどく恨んだ。

女には強気。男社会のオキテ


数日後、敏郎は大学の先輩で広告代理店勤務の前田を誘い、新橋にあるレストラン『マイモン ギンザ』を訪れた。

「ここ、見覚えあるなあ」

「当たり前ですよ。俺ら来たことありますって」

とぼける前田に、敏郎はすぐ指摘する。それもそのはず、ここは3年前に参加した食事会が開かれた店。

そこで、明子と敏郎は出会ったのだ。

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