2020.06.19
SPECIAL TALK Vol.69肌感覚重視の経営が、海外展開のカギ
金丸:お話を伺っていると、これまでピンチらしいピンチが出てきませんね。
間下:最大の危機は、リーマンショック後の2011年です。
金丸:リーマンショックで売上が激減したのですか?
間下:逆なんです。お客様はものすごく増えました。ただ、ちょうどその時期が、ビジネスモデルをフロー型(オンプレミス)からストック型(クラウド)に切り替えるタイミングで。
金丸:つまり契約が増えても、すぐにまとまった資金が入るわけじゃない。でもユーザー企業からすれば、大きな初期投資が必要なオンプレミスよりも、安く導入できるクラウド型のサービスのほうがありがたいですからね。
間下:そうなんです。だからコストが先行して、2期連続で赤字になりました。ストック型はその名のとおり積み上げが肝で、一定期間が過ぎれば利益が出るようになるのですが、黙っていなかったのが銀行です。貸し剥がしや不当に預金を拘束されました。
金丸:それはひどい。ビジネスモデルを転換して、より良い事業にしていこうとしているタイミングなのに。
間下:そんななかでもビジネスはどんどん伸びていくフェーズだったので、社員には辛い顔は見せず、徹底的に前向きに取り組んでいましたね。
金丸:間下さんは忍耐力がすごいですね。さすが水泳に打ち込まれていただけある(笑)。
間下:ほかの経営者の方から助けていただいたり、ベンチャーキャピタルの参画もあって、苦しい時期を何とか切り抜けることができ、2013年には東証マザーズに上場しました。
金丸:早い段階から、海外へも展開されていますよね。
間下:最初は2003年にアメリカのロサンゼルスに進出し、2009年にはマレーシア、2012年にはシンガポール、インドネシアに展開していきました。東南アジアの市場にいち早く参入してプレゼンスを高めておけば、ASEANの新興国が経済成長したときに、自分たちもその成長の波に乗れると考えたんです。
金丸:間下さんは現在、東京とシンガポールの二拠点生活をされています。なぜシンガポールに住もうと思ったのですか?
間下:ビジネスの話がなかなか進まなかったんです。現地の社員から「ここにはこういう文化があるから、そのままでは売れません」というようなことを言われる。日本からテレビ会議を通じてやり取りしても、現地の状況を汲み取るには限界があって。
金丸:それで直接乗り込んだというわけですか。
間下:現地に行き、自分の肌で現地の事情を感じることの重要性に気づきましたね。逆に日本の事情はわかっていますから、シンガポールから日本に指示を出してもトラブルにはなりませんし。
金丸:トップである間下さんが現地に出向いたからこそ、東南アジアで積極的な展開ができるようになったんですね。
間下:IT企業といえばアメリカ、という固定観念が世の中にはあります。確かにアメリカ企業は資本力が桁違いですが、彼らにとって東南アジアは進出しにくい地域なんです。物理的な距離があるし、文化的、宗教的な違いもある。その点、日本は地理的にも文化的にも近いので、そのアドバンテージを生かして、東南アジア市場でアメリカの巨大企業に対抗していきたいですね。
金丸:国内に閉じこもっていると、そういう海外の状況はなかなか見えてきませんよね。
間下:そういう意味では、子どもの頃から海外を経験させたほうがいいと思います。
金丸:日本の若い人たちは内向き志向が強くなっていますが、もったいないですよ。ただ日本の場合は、教育から変えていかないといけない。「失敗をしてはダメ」と教えるのではなく、リスクをとって失敗した数を評価するくらいの転換をしないと。
間下:失敗することは大人になってからでも大事ですから、子どものときから失敗の大切さを学べる環境は必要ですね。
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