ハラスメント探偵~解決編~ Vol.5

「あんた、バカじゃないの!」思わず新入社員の腕を掴み、怒鳴ってしまった!これってパワハラ?

現代のビジネスシーンを生き抜く上で、ハラスメント対策は必須だ。

だが、暴力や暴言など明らかなブラックゾーンの案件は全体の1割で、9割は判断しづらいグレーゾーンといわれている。

では、その見極め方とは?

それらのジャッジを手助けするのが、通称ハラスメント探偵と呼ばれる藤川小五郎。

今回は、新入社員のOJT研修中に起こった、出来事を取り上げる。

果たして、どんな結末が待っているのか…。

※この物語は実話を元にしています。※人物名は仮名です。


監修/株式会社インプレッション・ラーニング
代表取締役 藤山 晴久

取材・文/風間文子

前回は:「お仕事できないんでちゅか?」と嘲笑う、スーパー上司のやりたい放題に限界!匿名の内部通報の結末

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INDEX
1. 思わずとった行為がパワハラに…そのジャッジはいかに?

2. 新人教育でパワハラと主張されないための防衛術とは?

3. 内部通報「される人」と「されない人」の違い

思わずとった行為がパワハラに…そのジャッジはいかに?


真夏の夜、僕は麻布十番の網代公園からほど近い、あるバーの扉を開いた。

「マスター、連絡をくれたってことは、例のアレが手に入ったんですか?」

薄暗い店内には6人掛けのL字型カウンターと、テーブル席が1席。いつもならカウンターの向こう側には、マスターの澤田助六(50歳)がいるだけのはずだった。

それなのに今日は珍しく客がいて、僕は後に続く声を潜めた。

客は女性で、1人で飲みに来ているようだったが、すでに酔っているのか、カウンターに突っ伏し、いかにも不幸を漂わせていた。

― 失恋でもしたんだろう。とにかく、関わらない方が良さそうだ。


それなのに澤田は満面の笑みを浮かべ、あえて僕にその女性の隣の席を勧めたのだった。

「小五郎、よく来てくれたな。まあ座ってよ」

僕の名前は藤川小五郎、一介のハラスメント問題を専門に扱うコンサルタントだ。

店のマスターである澤田にショートメールで呼び出されたのは1時間前のこと。彼とは以前からある約束をしていて、それがついに果たされるのかと期待してやってきた僕だったが…、どうやら違うようだ。

「七海ちゃん、この人がさっき話したハラスメント探偵だよ」
「いやいや、僕は探偵じゃないし。なんで、そういう展開になるんですか?」

顔を上げた女性は田尾七海(27歳)といった。大手出版社に勤務しており、女性向けファッション誌の編集者をしているという。

「小五郎、彼女は困っているんだ。ちょっとだけでいいから、話を聞いてやってよ」

顔の前で手を合わせる澤田に、僕は仕方なく観念することにした。

「…それで、何があったんですか?」


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