高嶺のカナ Vol.3

「あの男、誰だっけ…」名前も知らない男からの告白をOKした、女の心理とは

「好きになった相手は、高嶺の花だった」。

もしもあなたが、手の届かないような存在の相手を好きになってしまったら、どうしますか?

石崎健人(27)が恋に落ちたのも、自分には釣り合わないと諦めていたような“高嶺の花”。

それまで身の丈にあった、分相応な人生を送ってきたはずの男が、憧れの女性を手に入れ、結婚まで漕ぎ着けた方法とは…?

◆これまでのあらすじ

それは2年前、健人が25歳の頃のこと。憧れの女性・花奈(かな)を食事に誘うはずだったが、緊張のあまり、うっかりその場で告白してしまった。ハプニングで始まった恋だが、健人にOKした花奈の胸の内とは…?


「あー、頭痛い」

ベッドから起き上がった花奈は、顔をしかめて呟いた。完全に2日酔いだ。

−私こんなにお酒弱かったっけ。いろいろ飲みすぎたかな。

洗面所の前に立つと、予想通り最悪のコンディションだった。むくみもひどいし、顔色も悪い。こういう日は、準備に時間をかける必要がある。

花奈は、ハンドタオルを水に浸し、硬く絞って電子レンジでホットタオルを作った。温かいタオルを顔全体に覆い、その上から親指でツボを刺激する。

少しでも血行を良くしようとストレッチもしていると、脳裏に昨日の出来事がフラッシュバックした。

「そうだ、告白…」

そのことを思い出すと、自然と顔がにやけてくる…。というわけではなかった。

男からのアプローチには慣れっこだった。社会人になってからは落ち着いたと思うが、学生時代はあまりの頻度に辟易して、一時期留学を真剣に検討していたほどだった。

どちらかというと、なぜ昨日の自分はあの告白を受け入れてしまったのだろうと思っている。

なぜならー。

「…彼、誰だったかしら」

花奈は、昨日自分に告白してきた男のことをほとんど覚えていなかったのだ。名前くらいなら思い出せるかな、と捻り出そうとしたが、頭痛がそれを阻んだ。

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