美女の憂鬱 Vol.4

「あなたの前だと、おかしくなる…」男を惑わす絶世の美女が、心をかき乱されたワケ

街を歩けば思わず振り返ってしまう。だけど目が合えば、逸らしてしまいたくなる。

誰もが羨望の眼差しを向ける、美しい人。…しかし、美女には美女にしかない悩みがあるのだ。

「人生の勝ち組」だと囁かれ続け、早29年の奈津子もそのひとり。

―誰も本当の私なんて知ろうともしない。

これは、そんな美女と美女に恋した二人の男の物語。

◆これまでのあらすじ

ドタキャンが相次ぎ、2度目の映画会は、奈津子と克弘のみでの開催となってしまった。しかし2人はまさかの意気投合。楽しい一晩を過ごす。そんな奈津子に、新たな出会いが…?


「良かったら、もう少しお話しません?」

参加した異業種交流会で真人に声を掛けられ、奈津子はその場に引き留められた。

「ええ、もちろん」

にっこりと微笑みながら、奈津子はもう一度真人の顔をじっくりと眺めた。その顔を見ているだけで、こちらも幸せにしてくれるような、不思議な魅力を持つ男。

そんじょそこらの女であれば、こんな男を前にしたら慌てて髪の毛に手をあて、必死に心を整えようとするのではないだろうか。だが、奈津子は違う。

「三条さん、お仕事は大変ですか?」

ゆっくりと、口元に微笑を浮かべながら、あえて真人のことをじっと見つめる。

顔だけで選ばれるなんて、ごめんだ。けれど、顔に見合った態度をとるのも、美人の務めだと奈津子は思っている。

人は、美しい外見には、美しい内面を求めるものだ。その期待をたやすく裏切る必要なんてない。

他人の無遠慮な要求にきちんと答えることは、子供の頃から「美人」と言われて育った奈津子には当たり前のように身に着いた習性ともいえる。

「大変と言えば大変ですけど、今は仕事が趣味みたいになっちゃってます。でも毎日いろんな方にお会いして、上を目指していくというのは、なんとも言えない楽しさがあります。それにー」

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