2020.03.08
別れ、のち晴れ Vol.12別れ。それは、誰しもが一度は経験したことあるもの。
胸が張り裂けそうになるよう辛い別れもあったはず。
けれど、別れた後に待っているのは辛いことだけじゃない。きっと、眩しいほどの明るく晴れやかな人生が待っている。
これは、そんな「別れ」にまつわるオムニバスストーリー。
「別れ、のち晴れ」一挙に全話おさらい!
第1話:「35歳までに結婚して、子ども産んで…」女の計画が、無残に打ち砕かれた夜
結衣が勤めているのは、ウェブ系の広告代理店。10年前新卒で入社して以来、第一線で活躍している。
そんな結衣も今年で32歳を迎えた。
入社当時から仕事一筋で、前向きに真面目に努力した結果、営業成績はトップだ。部下の人数は20人を超え、日々忙しく過ごすいわゆるバリキャリ女子。
そんな誰もが憧れるキャリアを持つ結衣の悩みといえば、恋愛だ。
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第2話:「どうして、こんな突然…?」男が、付き合って1ヶ月未満の女をフッた本当の理由
「私さ、本当は結構甘えたいタイプなんだよね。尊人くんには素の部分を出せる。嬉しいなあ」
その言葉を聞いた瞬間、今まで抱いていた気持ちが抑えきれなくなってしまった。
「…ごめん、今日はもう帰るね。ちょっと仕事思い出して」
尊人自身も気持ちの変化に戸惑っていたが、「これはもう終わりかもしれない」と自覚した。
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第3話:コソコソ隠れて電話に出ようとした彼氏に、不信感を募らせた女。結婚間近だったカップルの破局の原因
木村夕里子と笹川京一が乗る車の中では、不穏な空気が漂っていた。今年で27歳を迎える夕里子と、1歳年上で大手メーカー勤務の京一。
デートの帰り、京一に車で自宅マンションまで送ってもらい、まさに車から降りようとしたタイミングだった。
「いや、結婚したくないとか、そういうわけじゃないんだけど、ちょっと話があって」
「どうしたの、急に?すごく真剣な顔してるよ」
「うん、実はさ…」
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第4話:デート相手はいるのに、誰のことも好きになれない。何をしても満たされない女の嘆き
夕里子との別れから数年後、京一は所属する弁護士事務所の一室で、インタビューを受けていた。
会社員を辞めて弁護士を目指すというのは業界の中で珍しいことではなかったが、雑誌の編集者である友人に頼まれて、渋々引き受けた取材だ。
京一は、夕里子と別れてすぐに会社を辞め、貯金を切り崩しながら必死に勉強した。結果、司法試験に合格し、弁護士になるという夢を叶えることができた。
しかしやはり心のどこかで、夕里子の存在が気になっていた。
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第5話:期待して参加した同窓会で、まさかの事実が発覚。男が衝撃を受けたエピソード
集中しようとすればするほど、芙美子の存在が頭を過ぎる。送られてきたメールをパソコン画面で見つめるがどうも文字が滑ってしまい、頭に入ってこない。
祥平は高校に入学してから卒業するまでの3年間、ずっと芙美子に片思いしていた。そんな青春時代を懐かしむ気持ちを遮ったのは、デスクに置かれたカレンダーだった。
再来週の水曜日の欄に「有休」と書いている。この日は明里とのデートの日だ。指輪はもう購入してある。この日にプロポーズをしようと決めていた。
しかし結婚まで決意しているという祥平の気持ちは、芙美子という名前を聞いて揺らぎはじめていた。
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第6話:「全部、私のせいなの…」男女の仲を壊した女が、同窓会で明かした過去の罪
高校時代、佳奈は祥平に密かに思いを寄せていた。相談役という最もらしいポジションを手に入れてしまった佳奈は、表向きは祥平を応援しながらも、心の中では二人の恋が成就しないことを祈っていた。
そんなある日の部活終わり、芙美子が佳奈に告げた。
「佳奈。実は私ね、祥平くんのことが好きなんだ」
三角関係が成立した瞬間だった。
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第7話:「会社員なんか辞めろよ」彼氏に諭され、キャリアを手放した女の心に募る違和感
「芙美子、久しぶりじゃん。会社辞めて以来だから、もう3年ぶりくらいかな?」
芙美子は、以前勤めていた会社の同僚、鈴木樹(たつき)とバーで再会していた。
「ちょうど1年くらいだね。樹の仕事は順調?」
「おかげさまで。次のボーナスには期待できそう。ていうか自分で言うのもなんだけどさ、今の会社、世界に名を馳せる大企業なわけじゃん。今更だけど、芙美子はどうして会社辞めたの?」
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第8話:「結局、お前も金が大事なんだろ…?」彼女よりも低収入の男が放った、恥知らずな一言
「え?デートは?」
聞き返しても、スマホの画面を見つめたまま芙美子には一瞥もくれない。ここ最近ずっとこの調子だ。
「…デートしようよ?」
芙美子は必死で自分の感情を押し殺し、朔に優しい声で問いかける。
―ここで怒ったら、雰囲気悪くなっちゃうよね…。
しかし朔はチラリと芙美子を見ると、気まずそうに視線をそらし、口を開いた。
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第9話:「ずっと、言えなかったんです…」初デートで告げられた、世間知らずな美女の正体
―どうした。なんだ、この胸騒ぎは。
友人の結婚式に参加していた鈴木樹は、ステージの上に立つ女性から目が離せなくなっていた。
派手過ぎず、でも気品漂う黒のワンピースに身を包み、バイオリンを奏でている女性。淡い茶色に染められた髪はハーフアップにされている。
―これは、一目惚れ…か?
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第10話:「別に、結婚しなくてもいいだろ…?」無責任な恋をする男に起きた、まさかの事態
ほんの数十秒の会話。電話口でも琴音の声は柔らかく、驚くほど優雅な時間に感じられた。
わざわざお礼の電話をくれる女性は珍しい。感じが良いなと思う。しかし直後、豪邸の一室でくつろぐ琴音を想像してしまい、急激に気持ちは冷めていった。樹は決して小さくはない、1LDKのマンションに帰る。
―俺にはこれくらいが良いし、これで満足してくれる子が良い。
家の鍵を開けて、中に入ろうとした瞬間、琴音からもう一度着信があった。
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第11話:「私には触れようともしないのに…?」抱いてくれなくなった夫の部屋で知った、辛い現実
「樹さんと結婚するために、家を出てきたの」
真夜中に押し掛けた樹の部屋でそう告げると、樹は目を見開いていた。驚いた時はいつも同じ顔をする。
「え?出てきたってどういうこと?」
「家族より樹さんを選んだってこと。正直“Haruo Wakatsukiの娘”っていうだけで、特別扱いされる生活にはもう、うんざりなんだよね。
樹さんは私のことを“若槻琴音”として見てくれた。そんな樹さんと一緒になりたい。これからは、鈴木琴音として生きていきたいの。」
第11話の続きはこちら
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