別れ、のち晴れ Vol.8

「結局、お前も金が大事なんだろ…?」彼女よりも低収入の男が放った、恥知らずな一言

人との、別れ―。

それは、誰しも一度は経験したことがあるもの。

けれど、別れた後に待っているのは辛いことだけじゃない。これは、そんな「別れ」にまつわるオムニバス・ストーリー。

◆これまでのあらすじ

朔に触発されて会社を辞めた芙美子。フリーランスとして成功していくうちに、少しずつ朔への違和感が膨らんで行き…。


会社を辞めて2年、朔と付き合って2年半が経とうとしていた。

芙美子の実績は日に日に積み上がっていき、今では会社員時代の年収も軽く超えている。

…最近、朔とは収入の話ができなくなった。



「今月のデートはどこに行く?先月は家で映画だったから、どこか出かけようよ。たまには良いお店でディナーとかしない?」

お互いの仕事の合間に『ボンダイカフェヨヨギビーチパーク』でお茶をしながら、芙美子が嬉しそうに尋ねた。

仕事の都合上、決まった休みが取れない二人は「月に一度はデートする」と約束しているのだ。

芙美子にとっては、忙しい日々の癒しの時間。毎月心待ちにしていた。

「あ、うん」

しかし、朔から返って来た言葉は素っ気ないものだった。

「え?デートは?」

聞き返しても、スマホの画面を見つめたまま芙美子には一瞥もくれない。

ここ最近ずっとこの調子だ。

「…デートしようよ?」

芙美子は必死で自分の感情を押し殺し、朔に優しい声で問いかける。    

―ここで怒ったら、雰囲気悪くなっちゃうよね…。

しかし朔はチラリと芙美子を見ると、気まずそうに視線をそらし、口を開いた。

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