ピンクが好きってダメですか? Vol.6

女の敵は、女。突如呼び出された人事部で突きつけられた、理不尽な宣告とは

ピンク。プリンセス。キラキラしたアクセサリー。ふわふわのスイーツ。

大好きなものに囲まれて生きていたいのに…社会の最前線で働く私は、女を捨てて男のようにふるまわないといけないの?

私、ピンクが好きってダメですか?

◆前回までのあらすじ

“美人すぎる研究員”としてメディアにも出演する笹本桜(27)は、その仕事ぶりからは想像もつかないほど、ガーリーで可愛らしいものが好き。

そんな桜は、男勝りな同級生・石川夏希(27)と再会。桜と夏希、2人の運命が動き出すことに。

初めての婚活でいきなり撃沈した夏希。桜の全面バックアップが始まるが…?


ダサすぎる女子高生として過ごした暗黒時代を経て、晴れて大学デビューした桜は、持ち前の根性と努力で“かわいいものに囲まれるかわいい私”を実現してきた。

勉強も、美容も、仕事も、常に全力で取り組み結果を残してきた。だからこその“順風満帆”で、その風に、その波にいつまでも乗り続けていられるように、桜は神経を張り詰めて来たのだ。

それがまさか、こんな風な形で閉ざされるなんて。

桜は目の前が真っ暗になる。

人事部で聞かされたあまりにも残酷な一言は、桜を絶望のどん底に落とすものだった。

「異動…ですか?私が…?」

「笹本さん、これは辞令ではありません。あくまでその前の、ご相談の段階です」

人事部の女性部長が、淡々とした口調でそう告げた。

桜は目眩を起こしそうになるのをこらえながら、質問する。

「総合職ではなく研究員として採用していただいているので、他部署に異動というのは考えづらいかと…前例もありませんし」

目の前がチカチカして、耳の奥がキーンとなる。あまりの衝撃に、体が拒絶反応を起こしているのだ。

「総合的な見方をしまして、笹本さんにはご自分の適性を活かしていただける部署の方が良い、という意見が社内で出ています」

目の前の50代の人事部長も、隣にいる40代の研究室の課長も、女性だ。化粧品メーカーということもあり、女性の役員起用や出世に関しては、国内としては先進的な企業と言われている。

エリートとして最前線で働く目上の女性たちからの桜への圧は、特別に強い。そしてその圧力は、男性上司から受ける半分セクハラまがいのからかいよりも、桜にとって負担が大きかった。

―総合的ってなに?社内で意見が出てるってどういうこと?

人事部長と研究室の課長は、意味深な目配せをした。

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