病める時も、ふくよかなる時も Vol.11

「もう一度愛されたい」痩せて美貌を取り戻した妻を見た、夫の意外な反応とは

―病める時も、健やかなる時も。これを愛し、これを敬い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?―

かつて揺るぎない言葉で永遠の愛を誓い、夫婦となった男女。

しかし…妻が“女”を怠けてしまった場合でも、そこに注がれる愛はあるのだろうか?

8kg太り、夫の誠司から夫婦生活を断られてしまった栗山美月は、誠司の無理解に悩まされながらも痩せることを決意。

パーソナルトレーナーの甲斐とダイエット始めるが、甲斐との食事を目撃されてもヤキモチすら焼かれず、心が折れそうになる。それでも甲斐の励ましでどうにか持ちこたえた美月は最終計測に挑むのだった


鏡に映る顔が、緊張で少しこわばっている。

美月はベッドの傍に置いてあったスマホを手に取ると、夕方届いた誠司からのメッセージをもう一度確認した。

<今夜の結婚記念日ディナー、予定通りに行けそう。パレスホテルの『エステール』に20時ね!>

メッセージに何度も目を走らせ、大きく深呼吸をする。そして視線をスマホから外すと、再び鏡の中の自分の姿をじっと見つめ直した。

美月は今、あの思い出のワンピースを、背中のチャックが開いたままの状態で体にまとっている。

ヘアセットも済ませた。メイクも丁寧に施した。

後はこの、細身のタイトなワンピースを着こなすことができれば…5年前、誠司の愛を一身に浴びていた頃の美しさを取り戻せるはずなのだ。

―今夜のために頑張ってきたんだ。今夜、誠司さんに「綺麗になった」って言われるために…!

ゴクリと唾を飲み込み、美月はそっと右手を自分の背中にあてる。そして、小さなチャックの引き手をつまむと、一気に引き上げた。

―お願い…閉まって…!!

【病める時も、ふくよかなる時も】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo