夫の反乱 Vol.15

結婚して3年で、離婚届を突きつけた男。夫を思い留まらせた、妻からの意外な提案とは

—女は、愛されて結婚するほうが幸せ。

その言葉を信じて、愛することよりも愛されることに価値を見出し、結婚を決める女性は数多くいるだろう。

めぐみも、夫からの熱烈なアプローチを受けて結婚を決めた女のひとりだ。

だけど、男女の愛に「絶対」なんて存在しないのだ。

好き放題やってきた美人妻・めぐみ(30)は、夫の様子がおかしいことに気づく。夫を大切にすることを完全に忘れてしまった妻の行く末は…?

◆これまでのあらすじ

弘樹はついに我慢の限界に達し、自宅を飛び出した。そして妻にメッセージを送り、3つの条件をつきつける

決着をつけるべく話し合いに向かうが、めぐみから「正社員として働くことになった」と告げられた。予想外の報告に慌てふためくが…。


「色々考えたけど、私、やっぱりサインはできない」

めぐみは、固い表情で1枚の紙を差し出した。

それは、先日の話し合いのときに弘樹が渡した離婚届だ。妻の欄を見ると、空白のままになっている。

前回は、お互いがお互いの主張をぶつけ合うだけの堂々巡りで、一旦お開きとなった。弘樹としては、このまま離婚になっても構わない覚悟だったが、何日か経ってめぐみから呼び出されたのだ。

こうして、今日こそ結論を出すべく、再び二人はリビングのテーブルに向かい合って座っていた。

「俺の気持ちは、この前メッセージで送った通りだ。お互いに歩み寄れればベストだと思っていたけれど、あの日、めぐみの話を聞いて関係修復は難しそうだと悟った」

「私の話って、正社員になることとか、家事を外注したり、手伝ってほしいってこと?」

正直、めぐみが正社員で働き始めるなんて予想もしていなかった。さらに前回、彼女は、家事は外注したいし料理もするつもりはないと言ってきたのだ。

夫が大黒柱で、妻は扶養の範囲内で働きながら家を守る。いずれ子どもが産まれたら、めぐみが子育てに専念するものだと思っていた。それなのに…。

「そうだよ。事前に何の相談もなかったわけだし。俺はもう、不要ってことだろう?」

弘樹が声を荒げると、めぐみはこれまで見たこともないような落ち着き払った様子で、ゆっくりと首を横に振った。

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