2019.09.21
SPECIAL TALK Vol.602020年のニューリーダーたちに告ぐ
シェアリングエコノミーの活動家として業界団体の立ち上げに携わり、シェアリングエコノミーの推進、政策にも関わる石山アンジュ氏。
幼い頃から夢見た「世界平和」を実現させるため、かつてはアーティストを目指していたこともあった。平和や戦争について学んだ大学生活では挫折を経験するも、同時に希望も見出した。
そんな石山氏は現在、官僚と起業家たちの橋渡し役として活躍している。「新しい公共の景色が見たい」と話す石山氏が目指す社会のかたちは、どのようなものなのか。
これまでの石山氏の歩みを紐解きながら、ニューリーダーたちが切り拓くべき社会の姿に迫る。
石山アンジュ氏 1989年生まれ。シェアリングエコノミーの普及、規制緩和・政策推進・広報活動に従事。総務省地域情報化アドバイザーほか厚生労働省・経済産業省・総務省などの政府委員も務める。2018年10月ミレニアル世代のパブリックとイノベーターをつなぎ、イノベーションに特化した政策を立案し世の中に広く問いかけるシンクタンク一般社団法人Public Meets Innovationを設立。ほかにもNewsPicks「WEEKLY OCHIAI」でレギュラーMC出演を務めるなど幅広く活動。国際基督教大学卒、新卒で株式会社リクルート、株式会社クラウドワークス経営企画室を経て現職。Business Insider Japan 固定観念を打ち破り世界を変える『Game Changer 2019』46人に選出。著書に「シェアライフ-新しい社会の新しい生き方(クロスメディア・パブリッシング)」がある。
金丸:本日はシェアリングエコノミー協会事務局長であり、内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、またミレニアル世代のシンクタンクPublic Meets Innovation(パブリック・ミーツ・イノベーション:PMI)の代表理事のほか、NewsPicks「WEELY OCHIAI」のレギュラーMCなど幅広く活動し、ユニークな肩書きを持つ石山アンジュさんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。
石山:お呼びいただき光栄です。公共政策の仕事をしていると、いろいろなところで金丸さんのお名前を聞く機会があり、こうしてお話しできるのがとてもうれしいです。
金丸:今日の舞台は広尾の『熟成鮨万(よろず)』です。「自分自身が一番旨いと感じる、熟成した魚を多くの人に食べてもらいたい」。そんな想いとともに昨年オープンしたばかりだそうです。
石山:今話題の熟成鮨、興味深かったので楽しみです。
金丸:AirbnbやUberに代表されるシェアリングサービスが世界中で広まりつつありますが、欧米と比べると、日本ではまだまだ浸透していません。石山さんは業界団体「シェアリングエコノミー協会」の事務局長として、日本のシェアリングサービスの底上げをされていますよね。
石山:シェアリングエコノミー協会には現在、約300社の企業が加盟しています。また去年、一般社団法人としてPMIを立ち上げまして、代表理事を務めています。
金丸:PMIは初めて伺いました。どんな組織でしょう?
石山:現役の官僚とミレニアル世代の起業家が一緒に政策を議論するというコミュニティ型のシンクタンクで、7人の理事のうち、過半数が現役の官僚です。メディアアーティストの落合陽一さんやメルカリの小泉文明社長にもアドバイザーに入っていただいています。
金丸:それは素晴らしいですね。官僚はビジネスの現場を知らないし、起業家は政治がどう動いているかを知らない。
石山:おっしゃるとおりです。ベンチャー企業で自分の会社と官僚との橋渡しとして、政策渉外を担当していた時期にPMIのような組織が必要だと考えました。起業家は政治家や官僚の知り合いがいない状態で事業をスタートし、法律がどう決まっていくのか知らないままということもあります。一方官僚も、社会をよりよくするルールを作りたくて入ったのに、縦割りで上下関係が強い組織のなかでは、自由に国のあり方や政策を議論することができません。
金丸:両者が日頃から交流しておくことは重要です。公の場で議論するといっても、ベースの信頼関係がなければ、異論のぶつけ合いにしかなりません。「伝道師」である石山さんは、現在のお住まいもシェアハウスだとか。
石山:はい。血縁関係にとらわれない家族を実践するコミュニティ「Cift」でシェアハウスをしています。お坊さんやミュージシャン、弁護士、料理人、ライター、作家など、さまざまな肩書きの方がいて、現在は0歳〜60代まで67人と暮らしています。「拡張家族」という考え方のもと、お互いの価値観を認め合い、支え合いながら暮らしていくにはどうすればいいのか、社会実験をしているようなものですね。Ciftはオープンして2年になりました。
金丸:すでに興味深いキーワードがたくさん出てきていますね。ところで、これまでのゲストのなかでも、石山さんはかなりお若いのでは。おいくつですか?
石山:平成元年生まれで、4月に30歳になりました。
金丸:平成生まれですか! 今日は、私も知らないような話がたくさん飛び出てきそうです。どうぞよろしくお願いします。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2022.07.21
Vol.94
~いいか悪いかは、実験してみないと分からない。好奇心とデータを武器に未来のかたちを探る~
2022.06.21
Vol.93
~世の中を良くするプラットフォームを通じて、次世代を担うリーダーへバトンを繋ぎたい~
2022.05.20
Vol.92
~アフリカの村に飛び込んで分かった、日本に今足りない「やってみよう」の精神~
2022.04.21
Vol.91
~顔や体の悩みを解決するだけで前向きにストレス社会における整体師の使命を考える~
2022.03.19
Vol.90
~トレーニングの常識をアップデートさせ、“美尻”を切り口に人びとを健康にしたい~
2022.02.21
Vol.89
~失敗したからこそ挑戦を恐れなくなった女優の新しいカタチを切り拓きたい~
2022.01.21
Vol.88
~夢を語るのが得意。人工知能を武器に日本人の働き方を変えたい~
2021.12.21
Vol.87
~人と自然を繋ぐため左官の技を磨き、職人文化を次世代へと伝えたい~
2021.11.20
Vol.86
~フェンシングの格好良さを伝えたい。ハングリー精神があったからこそ駆け抜けてこられた~
2021.10.21
Vol.85
~自分のためではなく、チームそしてリーグのために。経営者としての強みを異分野で生かしたい~
2021.09.21
Vol.84
~一番眠りにこだわる人に最高の睡眠を。その熱意で倒産寸前の企業でも、世界レベルの製品を生み出せた~
2021.08.20
Vol.83
~退屈をなくすために必要なのは没頭。テクノロジーの力で既存の体験をより価値のあるものへ~
2021.07.21
Vol.82
~ハンドボール文化を日本にも。プレーヤーとしての挑戦は試合だけじゃない~
2021.06.21
Vol.81
~ゼロからつくる喜びを感じながら、知られざる途上国の底力を伝えたい~
2021.05.21
Vol.80
~ひとりでとことん建築に没頭した6年が、建築家としての存在意義を見出した~
2021.04.21
Vol.79
~枠にとらわれず、やりたいことをやる。アートと科学の融合で夢想した未来を現実に~
2021.03.19
Vol.78
~やりたいことがやれる人を増やす。自動収穫ロボットで農業を変え、世界を変えたい~
2021.02.20
Vol.77
~自分の目で現地の状況を見て、伝える。興味の赴くまま、自分にできることを見つけてきた~
2021.01.21
Vol.76
~フィットネスは、何歳からでも遅くない。人生を好転させるほどの楽しさを伝えたい~
2020.12.21
Vol.75
~あらゆる分野と繋がるワイン産業から日本の問題点を洗い出す~
2020.11.21
Vol.74
~この体だからこそできることをやりたい。逆境を覆しつづけてきた自信が、次なる挑戦に繋がる~
2020.10.21
Vol.73
~半導体もワインも同じものづくり。異色の二本柱で挑戦していきたい~
2020.09.19
Vol.72
~書には人の心情や想いが宿る。書を通じ、迷い多き今の日本を明るくしたい~
2020.08.21
Vol.71
~とどまることは、衰退を意味する。尺八を武器に世界を目指したい~
2020.07.21
Vol.70
~「地元産にこだわるから個性が出る」世界中で学んだ技術で日本ワインを進化させたい~
2020.06.19
Vol.69
~「やりたいことを、まずはやる」真っ直ぐな熱量があったから今がある~
2020.05.21
Vol.68
~故郷に職人のエデンを作りたい。世界一の庭師として次に挑むものがある~
2020.04.21
Vol.67
~ネガティブなマインドでは何も勝ち取れない。自分を信じ通すことが、勝負強さの鍵になる~
2020.03.21
Vol.66
~「やるべきことを、時間をかけて丁寧に」。多分野での挑戦を経て見えてきたものがある~
2020.02.21
Vol.65
~「お金がない」と可能性を諦めないで、挑戦があふれる社会を目指したい~
おすすめ記事
2019.08.21
SPECIAL TALK Vol.59
~“当たり前”に風穴を開けて、世の中を最適化し続けてきた~
2017.07.24
できない大人はいつでも同じ店。男がTPOに合わせて選ぶべき、ここぞのレストラン9選
2015.11.07
ラッキーにも出張で京都に行ったら絶対お薦めの店はココだ!
2017.02.24
TBS&博報堂社員に聞いた、赤坂でリアルに通う名店8選
2016.09.30
年末に向けてマスターしよう!これが接待を制するとっておきレストラン8選
2016.07.20
有名企業の役員も御用達! 接待を成功に導くレストラン5選
2015.08.10
話題の企業の仕掛人たちがリアルに通い詰める常連店8選
2015.11.27
金曜美女劇場
伝説と呼ばれた銀座の美ママが語る“出世する男”の条件とは?
2021.01.13
「サクッと一杯ならココ!」覚えておくと便利な目黒・権之助坂の店6選
2016.04.26
予約受付中!大人のガンダムコラボ ”ザビ家御用達万年筆” で悦に入れ!
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2022.07.27
プロ夫婦~作られた輝き~
一緒のベッドに寝るのは2年ぶり。期待する夫に妻がとった驚きの行動とは
2022.08.02
孤独な男と女のあいだに
友達と男女の関係になってしまった…。翌朝、気まずい空気が流れるなか、女が放った一言とは
2022.08.03
この恋が成就しない理由
この恋が成就しない理由:既読スルーばかりのカレ。「熱がでた」と送ってみると、予想外の反応で…
2022.07.09
バッド・ダディ
離婚した元妻から突然連絡。家を出た本当の理由を告げられて、困惑した男は思わず…
2022.07.17
港区夫妻のトラブル事例
3,500万をたった数ヶ月で使い込んだ妻の異常行動。夫が問い詰めるとクローゼットを指差し…
2022.07.16
妻と女の境界線
夫が出張中、男と楽しむ32歳女。浮かれて終電を逃し、真夜中に行き着いた場所とは
2022.07.25
QLCな女たち~平成生まれのジレンマ~
商社マンの夫が、出張で不在にしている間に…。セレブ妻が白昼堂々と、自宅で耽っていた最低な行為
2022.07.15
年収8ケタの女
「彼女、仕事取るために寝るらしいよ」同僚に言われた心無い言葉に、年収1,800万の美人営業は…
2022.07.16
男と女の答えあわせ【Q】
絶対に、家に上げてくれない男。「今日は部屋が汚い」と言われ、他に女がいると怪しんだら実は…
2022.07.29
ごめん、今日も遅くなる。
無言で差し出されたAirPods。言われるがまま耳に入れると、とんでもない録音が…