200億の女 Vol.13

「ごめん、君の財産目当てで近づいた」夫からの衝撃の告白に、資産家の妻がとった行動とは

騙されたのは女か、それとも男か?
「恋」に落ちたのか、それとも「罠」にはまったのか?

資産200億の“恋を知らない資産家の令嬢”と、それまでに10億を奪いながらも“一度も訴えられたことがない、詐欺師の男”。

そんな二人が出会い、動き出した運命の歯車。

200億を賭けて、男と女の欲望がむき出しになるマネーゲームはやがて、日本有数の大企業を揺るがす、大スキャンダルへと発展していく。

詐欺師の罠をかわしたかに見えた智だったが、夫が自分を裏切っていたことを知り心に隙が出来てしまう。そして仕事の大舞台でのトラブルを詐欺師に救われた智は、ついに男に心を許してしまう。そして、夫との話し合いが始まるが…。


「“ご主人はあなたを裏切っています”っていうあのメールね…実は、私の方でも調べたの」

家族3人で、夫の大輝が作ってくれた昼食を食べたあと。娘の愛香が、少し遅いお昼寝をした、午後2時。

私たちはリビングで2人きりになり、私は回りくどい言葉を排除して、そう言った。夫に任せたはずなのに、自分でも調べてしまったことをまずは謝る。

夫は、あまり驚いたようには見えず、その表情が読めず戸惑っていた私に言った。

「…やっぱり。でも智が謝る必要はない。俺が悪いんだから」

―俺が、悪い?

黙ったまま彼の顔をジッと見つめていた私に大輝は、いや、と笑った。

「俺の方でも調べたんだけど、発信者は分からなかったよ。智の方では分かった?」

―何で、こんなに…落ち着いてるの…?

まるで他人事のような、呑気な大輝の口調に、焦りなのか苛立ちなのか…複雑な感情が込み上げる。彼が調べてくれると言っていたのに、その結果を待たず自分で動いてしまったことへの罪悪感が消え、言葉が強くなった。

「調べたけど、誰から送られてきたのかは分からなかったわ。所有者不明の携帯からだった」

「…そっか…でも智のことだから…調べたのは、発信者だけじゃないよね。智なら、徹底的に調べる。内容についても、ね」

大輝の声は、静かだった。笑っているようにすら見えるその顔に、相変わらず、動揺は探せない。

「当然、裏切ってるかもしれない夫…俺のことも調べ上げたよね?何が分かった?」

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