青山で中村龍次郎氏が腕を振るう名店『すし処 海味』。
先代・長野充靖氏の魂を受け継ぎながらも、持ち前の明るい性格を活かした威勢のいい接客が評判に。
いまや若い世代からも支持を得続ける人気店だ。
緊張とは無縁!名店『すし処 海味』に潜入
初めて訪れる寿司店は、どんな人でも緊張が伴うもの。しかし、外苑前駅から徒歩数分の外苑西通り沿いに佇む『すし処 海味』は緊張とは無縁なのである。
それは、暖簾をくぐった瞬間から分かる。「いらっしゃいませ!」という威勢のいい声が出迎え、活気に満ちた雰囲気が訪れる人の心を和ませてくれるのだ。
腕を振るうのは、先代・長野充靖氏の魂を受け継ぎ、名店の看板を守り続ける中村龍次郎氏。
持ち前の明るい性格を活かし、笑顔でお客さんとの会話も楽しみながら握る姿はSNSでも話題。名店でありながらも、こんなに肩肘張らずに美味しい寿司を楽しめる場所は、数少ない。
大将自身も「寿司業界のパワースポットになりたい」と語り、訪れる人を元気にできる場所を目指している。
用意されるコースは、つまみ10品と、握り13貫が楽しめる「おまかせコース」のみ。
コース序盤は、つまみと握りが交互に登場し、後半は握りが続々と供されるスタイル。小気味良いリズムからお酒もどんどん進んでしまう。
この日は、まずつまみから「佐賀県唐津産 赤うに」、「千葉県勝浦産 かつお」、「千葉県大洗産 メヒカリ」の3品を用意いただいた。
お待ちかねの握りからは「佐渡島 定置網 まぐろ 赤身」と「中とろ」、「鹿児島県産 車海老」、「北海道産バフンウニ」の4貫が登場。
どれも『鮨 海味』を訪れる人が目当てにしている代表的な握りである。
なかでも、熟成度を調整し、旨みを引き出したまぐろは絶品。
胃を温めるために供されるしじみ汁の後、最初の一貫として「中トロ」が登場するのも、大将が一番味わって欲しい一貫であるからこそだ。
握りを頬張ると、ネタとシャリが噛むほどに一体となっていき、旨みがグングンと増していく。
それは大将こだわりのシャリの美味しさから生み出されている。
パラパラとほどける食感のシャリを目指し、コシヒカリの古米と甘みの弱いササニシキのブレンド米ベースに季節毎に配合具合を調整しながら仕入れているという。
2種の赤酢を使用して作るシャリは、どのネタの味わいにもぴたりと寄り添い、芸術的な美味しさを生み出す。
〆に人気の巻物「かっぱ巻き」と「鉄火巻き」の2種も紹介したい。
注目は先代から受け継いだ「かっぱ巻き」。シャリの倍以上の量の細切りキュウリが入った、そのビジュアルは『すし処 海味』ならではの一巻とも言える。
キュウリの爽やかなシャキシャキとした食感の後から、シャリがパラパラとほどけ口の中で一体となっていく感覚は、一度食べたら忘れられない。
先代時代から通い続ける常連はもちろん、中村氏の人柄と握りの美味しさに惹かれた若い世代のファンも獲得し続ける『すし処 海味』。
“寿司業界のパワースポット”を訪れ、お腹も心もパワーチャージしてみてはいかがだろう?
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
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