ハイエンド妻になりたいならば、その座は虎視眈々と狙え
「当時、やたらと知り合いが多かったお姉さまがいて、その方が主催したお食事会で真弘と出会いました」
いわゆる“手配師”のような年上の女性から、気に入られていた玲子。彼女にうまく媚を売り、良いメンバーが来る食事会に誘ってもらっていたという。
「皆様ね、間違えているんですよ。みんな、食事会で男性をチヤホヤするでしょ?でも抑えるべきところは、中途半端な男性じゃない。良いコネクションを持っている、次のもっと良い会に繋がりそうな女性を抑えるべきなんです」
華奢でか弱そうな雰囲気の玲子だったが、話しているうちにそんな見た目とは裏腹に、実はものすごく緻密に計算している面も見え始めてきた。
玲子が20代の時に勤めていた会社は、可愛い子が多いことで有名である。
「みんな可愛いくてオシャレな子ばかり。ただ会社に行くだけなのに気が抜けた服装は絶対にできない状況でした。しかも元々ミーハーだったので、欲しい靴やカバンもたくさんあって。あの時は、見栄のために毎日が本当に必死でしたね」
また当時から読者モデルもしていた玲子は、とにかく華やかなものに夢中だった。
「雑誌の撮影に呼ばれるために、良いブランド物も必死に買う日々。でも、そんな見た目とは裏腹に家賃はかなり切り詰めており、実は当時の家賃は7万円。それでもたまに払えないピンチに陥るくらい、本当にギリギリだったんです」
しかし、そんなガッツと向上心がある玲子らしく、学生時代からの目標はただ一つ。
リッチで、セレブな生活が送れるような人と結婚することだった。
「父親は大手食品メーカー勤務で、母親は専業主婦。至って普通のサラリーマン家庭でした。そのことに対して何も考えていなかったのですが、大学で青学に入り、みんなキラキラしているし、ずば抜けたお嬢様だけでなく、“そこそこの”お嬢様もたくさんいて」
—自分は、中流家庭出身。
学生時代も、社会人になってからも、そのコンプレックスの呪縛から玲子は逃げ切れなかった。
「私の家柄は“中の中”で、一番どうしようもないポジションなのだと気がつきました。そして圧倒的に、スタートラインから負けていることに気がつかされたんです。みんな、欲しい鞄は親や彼氏に買ってもらっている。でも私はそんな贅沢させてくれるような人は周りにいなくて、自分で頑張るしかなかった」
—絶対に私は、お金持ちと結婚する。
そんな強い意志を持ち始めた玲子は、学生時代から食事会に精を出した。そして『カンテサンス』で開催された食事会で出会ったのが、真弘だった。
そんな今の夫の真弘は、どういった人なのだろうか。
「彼は一代で財を成した、飲食系の経営者です。とにかく華やかな子が好きで、飲みの席でも景気良くポンポンとお酒をあけていた。この人なら、私にもきちんとお金を使ってくれ、理想通りの結婚が望める、とビビッとセンサーは反応しました」
そんな玲子のレーダーは正しく、華やかで美しい見た目の玲子に真弘が入れ込むのは時間の問題だった。
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