春の風に吹かれて Vol.2

「自然消滅狙われてる?」バレンタイン当日。27歳女が彼氏に連絡したら、ありえない答えが返ってきて

東京の女性は、忙しい。

仕事、恋愛、家庭、子育て、友人関係…。

2023年を走り抜けたばかりなのに、また走り出す。

そんな「お疲れさま」な彼女たちにも、春が来る。

温かくポジティブな春の風に背中を押されて、彼女たちはようやく頬をゆるめるのだ――。

▶前回:大学卒業7年で差が歴然。29歳女が同級生に感じるコンプレックス


梨乃(27) 私、たぶん愛されてない…


2023年12月24日。

「あのさ、実は大事な話があって…」

その言葉に、梨乃は心臓が飛び上がりそうになるのを感じた。

レストランのテーブルを挟んで、彼氏の隆史が真剣な表情を浮かべている。

― ついに…?

頭に浮かんだのは、“プロポーズ”という言葉。

互いに27歳。周囲は結婚ラッシュ、クリスマスデート。

― あり得る。

アプリで出会い、付き合って1年弱なので結婚にはまだ早いと思いつつも、梨乃は笑顔でソファに座り直す。

しかし次の言葉は、想像とはまったく違った。

「急な話なんだけど、俺、香港駐在になった。実は前から話はあったんだけど、正式に決定したんだ。ビザ次第だけど2月半ばくらいに出国する」

梨乃は、ぽかんと口を開けて隆史を見つめるほかない。

「期間はおそらく2年くらい。ごめんな、梨乃。クリスマスディナーなのに、こんな話になって」

隆史は、大手海運会社で働いている。

「海外転勤をしたい」「出世コースだからね」といつも口癖のように言っていた。

暇を見つけては、中国語と英語の勉強に勤しんできた姿も見ている。

だから梨乃は笑顔で言った。

「よかったね。おめでとう」

しかし、声は震えてしまう。

― 「ついてきてほしい」とか、言ってくれないの?

次の言葉を待つ梨乃をよそに、隆史は目の前にあるサーモンの前菜を丁寧に口に入れる。

― そうだよね。私と離れることなんて、どうでもいいんだろうな。

この記事へのコメント

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No Name
何これ? こうやって簡単に魔法かのように夢を叶えた話、大っ嫌い。世の中そんな甘くないって先週のコメント欄で挙がってたけどその通りだと思う。同じバレンタインのお話でも昨日の方がよっぽど良かった。
2024/02/14 05:1661
No Name
駐在に付いてきてとの言葉を期待してたということは、昔で言う腰掛けみたいな気持ちで働いてたんじゃ? そんな人がサークルの先輩会ってすごいなと思い...無理だと思っていた報道記者(ネット記事の記者)になった。春の風に吹かれて飛んでけー。
2024/02/14 05:2228返信3件
No Name
虫唾が走る
2024/02/14 05:3127返信1件
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