「僕の彼女は、女優です」 Vol.10

女は、いつまでも誰かの1番でいたいから。人気女優が控えめな男を選んだ意外な理由

—芸能人。

それは選ばれし一部の人しかなれない、煌びやかな世界で生きる人たちのこと。

東京という街は、時に芸能人と出会うチャンスに溢れている。

テレビの中の人物が、ある日突然、レストランで隣の席に座っていることもある。

東京には、夢が溢れている。ドラマのような出会いが、実際にある。


IT社長として財を成した中澤隼人(35歳)も、そんなドラマのような体験をした一人。

平凡な毎日が、今をときめく女優・悠美(ゆうみ)と出会い、仲を深めていく隼人。浮かれる一方で週刊誌に悠美との2ショット写真が掲載されてしまうが、それがキッカケで、むしろ二人は急接近する。そんな中、悠美が共演者であるイケメン俳優・翔平とデートしている所をスクープされ愕然としている間に、隼人も、見知らぬ女とソファーで寝ている写真を撮れられていた・・・


「いや、これは誤解だから」

悠美の携帯の中に写っている、一枚の写真に愕然としながらも、僕はただリビングで必死に否定する。

先日の弘人先輩の飲み会に来ていた、モデルの亜弥が連れてきたもう一人の女の子。名前すら覚えていないけれど、酔っ払ってソファー席で寝ていた僕の腕に、何故か彼女がすっぽり収まっており、ピースサインをしている。

「これが、芸能界なのか?」

僕は怒りを通り越して呆れた顔で悠美を見つめた。

悠美と翔平のツーショット写真だって、誰かが仕組んだものなのかもしれない。今なら、そう思えてきた。

「本当に、何もないの・・・?」

まだ疑いの目を向けている悠美を、僕はそっと抱き寄せた。

「とりあえず、会えて良かったよ」

久しぶりに会えた悠美。僕の腕の中で俯むく悠美は、少しだけ痩せた気がした。

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