今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.23

クーラーボックスも、コルク抜きも不要!GWにサクッと“外飲み”するのにちょうどいいワイン、教えます 。

柳「いや、それもまた寂しいでしょ。大事なのはアウトドアで飲んでも、アイデンティティを損なわない一本であること。

だからブルゴーニュみたいに繊細なワインはすすめない。パワフルでそこそこインパクトがあれば楽しめるから、ニューワールドのほうがアウトドア向きのワインが多いかな。

オーストラリアのシラーズとか、カリフォルニアのジンファンデルとかね。これらのワインは炭火で焼いた肉によく合うしさ。」

――でも私、一番好きなブドウ品種はピノ・ノワールなんですよ。

柳「ならばニューワールドのピノを選べばいい。ピノ・ノワールはブルゴーニュに限るなんて大昔の話で、今は世界各地で良質のピノができているよ。アメリカのオレゴンやニュージーランドはとくにいいね。」

ニュージーやオージーなら、コルク抜き不要で楽チン


――白ワインやスパークリングワインはどうですか?

柳「問題はいかに冷やすかだね。この季節なら冷たい川の水で冷やす手もあるけれど、そういう場所もなく、クーラーボックスが用意できず、氷の入手も難しいとあらば赤ワインが無難かも。とくに赤身の肉がメインディッシュならなおさらだよ。」

――それからアウトドアでよくやっちゃうのが、いざ、ワインを開けようとしたら、コルク抜きがないというトラブルです。


柳「あるね。ボトルの底を靴の中にあてがい、建物の壁や木の幹に靴底を叩きつけるとコルクが飛び出すという動画を見たことがあるけど、自分でやったことはない。

そうした利便性の意味でもニューワールド。オーストラリアやニュージーランドのワインは、ほとんどがスクリューキャップだからコルク抜きいらずさ。」

――ふむふむ、すると私には、ニュージーランドのピノ・ノワールかな?

柳「クラリンにはこのジ・エルダー・ピノのピノ・ノワールなんてよいと思うよ。ニュージーランド北島のマーティンボロー産。

芳醇な果実味のおかげでアウトドアでも風味が損なわれず、きれいな酸味もあるから飲み疲れもしない。温度的にも今の季節にぴったりじゃないかな。」

――よかった。ちょうど次の日曜、ピクニックに誘われてるので、このワインを持っていきます!

柳「あ、コルク抜きは忘れてもいいけど、丈夫なグラスは用意してね。プラカップじゃ、ワインが惨めだ。」

たとえば、こんな1本
「ジ・エルダー・ピノ ピノ・ノワール2015」

「マーティンボロー・ヴィンヤード」の栽培担当者だったナイジェル・エルダーと、ハンソン・ヴィンヤードを所有するハンソン夫妻とのコラボレーションにより、2010年に誕生。12年から有機栽培を実践するクリーンナチュールワイン。ラズベリーなど赤い果実が芳醇。酸味も調和。

¥6,480/ワイマラマジャパン(株)大岩 y_oiwa@waimarama-japan.jp


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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この記事へのコメント

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No Name
ゴメン、せっかくの美人なのに眉がワイルド。。。
2019/04/30 20:380

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