今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.21

値段の高いワインで手放しに喜ぶのは恥ずかしい!ネームバリューに囚われない、ワインの選び方を教えます。

大人なら基本的なワインの知識を身につけておきたいのはもちろんのこと、きちんとその美味しさを理解して味わいたいもの。

値段の高さや、その希少性から美味しく感じるのではない、心から“大人が飲みたくなるワイン”とは、どんな一本なのか、ワインジャーナリスト・柳忠之氏に聞いてみた。

この味が心から美味しいと思ったら、貴方も真の大人といえるはず。

Q.数え切れないほどの種類があるワイン。「この美味しさがわかれば、ワイン通!」と言えるのって、どんなワイン?

――柳さん、コーヒーどうぞ。

柳「あ〜、クラリン(編集担当の嵩倉)ありがとう。」

――お砂糖はいくつ入れます?

柳「ブラックでいいよ。」

――さすが、おっとなー! 私なんて、お砂糖みっつにミルクもたっぷり入れないと、コーヒーなんて飲めませんよ。

柳「クラリンはコーヒーの苦味が苦手なの? たしかに苦味は人間が最後に慣れ親しむ味覚とされている。それとは反対に、甘みは赤ん坊でも喜ぶよね。」

――なんでですか?

柳「たいていの毒物は苦い。子供は毒物への警戒心が低いから、苦味を不快に感じさせることで、生理的に拒絶させてるらしい。酸味も同じで腐敗のシグナルなんだ。つまり、苦味や酸味に弱いのは、舌がまだ子供の証拠ってわけさ。」

――なるほど。私も早く、「嵩倉、大人の味がわかるようになったな」って言われるようにならなきゃ。ところで、苦味や酸味はワインの嗜好についても言えます?


果実味はお子ちゃまテイスト。大人なら酸味と渋みに慣れよ

柳「言えると思うね。ビギナーほどタンニンの強い赤ワインや、酸味の効いた白ワインは苦手なことが多い。

ところが飲み慣れるにつれ、単に果実味ばかりたっぷりしたワインじゃ物足りなくなり、渋味や酸味のバランスを求める。それが成長の証だね。」

――香りについてはどうですか?

柳「やはりビギナーほど華やかな香りに惹かれやすいと思うな。ピーチの香りとか、ラズベリーの香りとかね。

しかし、ワインがわかってくると、そうしたはっきりしたフルーツの香りよりもミネラルとかハーブとか、こちらから探っていかないと嗅ぎ取れないような、繊細な香りが何層にも重なるワインにゾクゾクするものなのさ。」

――あっ、あれですね。馬小屋の匂いとか、濡れた犬の毛の匂いとか。

柳「いや、それらはワインの欠陥臭だから、ゾワゾワしてもゾクゾクはしない。いまだにそうした匂いをナチュラルと勘違いしている自称大人のワイン通もいるけどね。」

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