「僕の彼女は、女優です」 Vol.7

「他の男とのキスなんて、見たくない」。芸能人と付き合う道を選んだ、IT社長の苦悩

—芸能人。

それは選ばれし一部の人しかなれない、煌びやかな世界で生きる人たちのこと。

東京という街は、時に芸能人と出会うチャンスに溢れている。

テレビの中の人物が、ある日突然、レストランで隣の席に座っていることもある。

東京には、夢が溢れている。ドラマのような出会いが、実際にある。


IT社長として財を成した中澤隼人(35歳)も、そんなドラマのような体験をした一人。

平凡な毎日が、今をときめく女優・悠美(ゆうみ)と出会い、仲を深めていく隼人。しかし浮かれる一方で週刊誌に悠美との2ショット写真が掲載され“仲の良い友達です”と言われてしまう。しかしそれがキッカケで、むしろ二人は急接近したのだが・・・


悠美とお互いの家を行き来するような関係になってから、約半年が経った。

悠美が僕の家にいる時にテレビをつけるとたまに彼女が出ていたりする。その時は何とも不思議な気分になるが、隣にいる彼女は芸能人の悠美ではなく、一人の普通の女の子・田中悠美だった。

「そういえば・・・最近、なんかまた記者の人につけられてる気がするんだよね」

僕は見ていたテレビを消し、食器の片付けをしてくれていた悠美の方を向く。

「また?気をつけないとだね」

僕たちはあの週刊誌事件以来、写真を撮られることに敏感になっていた。

そのため二人での外出は控えるようにし、デートはもっぱら家にするなど、細心の注意を払っている。

「でも、僕たちはあまり外に出ないから大丈夫じゃない?」
「そっか、そうだよね。いつも家ばかりでごめんね」

申し訳なさそうに俯く悠美に、僕は首を横に振る。こうして一緒に居られるだけで幸せだったから。


しかし、悠美はそうは思っていなかったのかもしれない。

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