モテる男 Vol.1

モテる男:「この人、ズルい…」一瞬で女心を掴んだ男の、さりげないテクニックとは

相原勇輝の女性関係


「ねぇ、相原くんって彼女いるのかな」

帰り道、私は浮かれる心を抑えきれず玲奈に尋ねた。

彼女と私は二人とも恵比寿で一人暮らしをしている。クール系美女の玲奈とミーハーな私は、男の趣味も何もかも正反対。しかし家が近所という共通点があったおかげで、同期で1番の仲良しになれた。

「どうだろう?いないと思うけど…」
「そうなんだ!」

しかし食い気味にはしゃいだ声を出す私に、玲奈が慌てて付け加える。

「違う。待って。特定の彼女はいない、って意味よ」

冷ややかな彼女の言葉に、私は「ああ…」と思わず低い声を出す。

いや、まあ、冷静に考えてそうだろう。

私が惹かれるような男に、女がいないわけがない。そんなことは最初からわかっていた。

しかし“特定の彼女はいないが遊ぶ女はいる”というのは…果して“彼女がいる”より好条件なのだろうか、悪条件なのだろうか。

得意のポジティブシンキングで“彼女がいるよりマシ”だと思い込もうとしたが、さすがに根拠がなさすぎて失敗に終わった。

けれど−。

『摩季ちゃん、待って。忘れてた』

帰り際に、相原勇輝はわざわざ私を追いかけてきたのだ。そしてLINEを交換しようと言われた。

『OK。また連絡する』

さらりとそう言い、笑顔を残して彼は去った。

あれはただの社交辞令だったのだろうか。でもそれなら、わざわざ追いかけてきたりするだろうか?それとも、たくさんいる女の一人として会おうって意味だったのか…?

「ね、相原くんから、連絡するって言われたんだけど、会わない方がいいと思う?」

そんなこと、玲奈に聞いても仕方がない。わかっていながら、意味のない質問が口をついて出た。どうやら私は動揺しているらしい。

「いや…どうかな。まぁ摩季が私の同期だってことは相原も知ってるんだし、さすがに変なことはしないと思うよ。彼はモテるけど、酷い男ってわけじゃないから」

言葉を選んで答えてくれる玲奈。クールで冷たい印象を持たれがちだが、実は優しい女性なのだ。

「そうだよね。まあまだ誘われたわけでもないし。連絡なんてこないかもっていうか、多分こない。心配するだけ無駄だわ!」

柄にもなくウジウジとしてしまった自分が情けなくて、自虐を交えて笑い飛ばす。

しかし実は私には、直感ともいうべき確信があった。彼はきっと連絡をくれる。私たちは必ず、特別な関係になれると。

気のせいだって笑われてもいい。けれどふたりの目と目が合ったあの瞬間、私は確かに心が触れ合うような手応えを感じたのだ。

村上摩季・27歳。

次に恋をする時は、もうモテ男は選ばない。そう自分に言い聞かせていた。先に結婚した女子大時代の友人たちがこぞって勧めてくるような、結婚向きの男を探すつもりだった。

けれど、やっぱり無理。

結局私は、爽やかで笑顔が可愛くて、女心がわかってて、ずるくて、でも優しい男に恋することをやめられないのだ。

それならば、そういう男に選ばれる女になるしかない。

…そしてそのチャンスは、思うよりも早く訪れた。


▶NEXT:4月20日 土曜更新予定
思うより早く、モテ男・相原勇輝から連絡が。しかしいきなり壁にぶち当たる。

この記事へのコメント

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No Name
モテる男性が魅力的なのはわかるけど、不特定多数の女がいる男性はイヤだわ。
2019/04/13 05:1999+返信19件
No Name
わかる!モテる男はやっぱり魅力的で、女の本能レベルの話なので、仕方ない。
みんな本当はモテる男が好きなんです。
ただ妥協してるだけで。
2019/04/13 05:1199+返信18件
No Name
女子高生みたいなお話ですね
と思ったけど、私もこんなだった‼️爆
2019/04/13 05:2692
No Name
なんか東カレっぽくなくて古くさくないですか?
イケてる男女、肉焼きおばさんって。
相原勇と大黒摩季がチラつくし。
2019/04/13 05:4568返信11件
No Name
前の略奪愛みたいな、重い内容よりもこの位軽いと言うかちょっとコミカルな感じのお話の方が親しみやすくて良いね。
今後の摩季の奮闘を楽しみにしています。
2019/04/13 06:5247
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