SPECIAL TALK Vol.52

~日本とバングラデシュ、一方的な支援ではなく、双方の課題解決を~

全校集会の挨拶で、緊張のあまり固まる

金丸:ところで、子どもの頃に怒られたとか、失敗したという経験はありますか?

三輪:ひとつ思い出すのは、中学校の全校集会です。生徒会長だったんですが、朝の挨拶で壇上に立ったとき、緊張で完全に固まってしまったことがあって。

金丸:そんなに緊張するたちなんですか? 今お話ししていると、そんな感じはありませんが。

三輪:実は今でもちょっと緊張すると、汗が止まらなくなりますし、昔はもっとひどかったんです。

金丸:なのに生徒会長になるなんて、チャレンジングですね。

三輪:それは、先生から「ならないか」と言われたのがきっかけで。

金丸:なるほど。言うなれば、用意された生徒会長(笑)。しかし、どうして三輪さんにご指名が?

三輪:イベントのときに、クラスの中心でみんなを引っ張っていたからだと思います。慣れた環境なら、緊張しないんですけど。

金丸:じゃあ、内弁慶なところがあったんだ。

三輪:そうですね。外に対しては弱かった。だから全校生徒の前で、1分ほど完全に固まって……。

金丸:そのあとは、どうでしたか? 恥ずかしくて嫌になったとか、逆に奮起したとか?

三輪:奮起しましたね。自分にとって、あれは間違いなくターニングポイントです。周りから「誰だってああいうことはあるよ」と慰めの言葉をかけてもらったけど、かなり悔しくて。あの日以来、人目に慣れるために、陰ながら人前で話す練習を繰り返しました。

金丸:失敗は経験しておくに限ります。そのときは落ち込むかもしれませんが、学ぶことは多いし、大失敗をきっかけに奮起すれば、人に話せるエピソードにもなる。世間の人びとは失敗を恐れているけど、それでは面白い人生にはなりませんよ。

三輪:なるほど。

金丸:ところで、三輪さんは勉強のほうはどうでしたか?

三輪:勉強が好きだったというより、高校でも野球がやりたくて必死に勉強しました。地元の強豪である掛川西高校を目指していたのですが、その高校は野球も勉強も主軸にしていることで有名で。

金丸:いわゆる文武両道ですね。

三輪:だから中学生の頃は、高校で野球に打ち込めるように、中学卒業までに高校2年生までの数学を終わらせようと頑張りました。

金丸:それはすごい。ご両親から「やりなさい」と言われたわけじゃないんですよね。

三輪:もちろんです。でも僕が勉強したいと言うと、すぐ塾に通わせてくれました。ただ、塾でも高校の数学は教えてくれないので、完全に独学でしたけど。

金丸:すごい。やると決めたときの突破力が、中学生離れしていますね。

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