罠 Vol.2

「これって単なるイタズラ…?」SNSで仕掛けられた攻撃。幸せ絶頂のプレ花嫁が、誰にも言えない秘密

—今すぐ、婚約を破棄しろ。

ある日、柊木美雪(ひいらぎ・みゆき)のSNSに届いた奇妙な一通のメッセージ

恋人の黒川高貴(くろかわ・こうき)からプロポーズをされて幸せの絶頂にいたはずの美雪は、その日を境に、自分を陥れようとする不気味な出来事に次々と遭遇する。

“誰かが、私たちの結婚を邪魔している。でも、一体誰が…?”

美雪を待ち受ける数々の“罠”をくぐり抜け、無事に結婚にたどり着くことが出来るのかー?


美雪の脳内に浮かぶ、3人の女性


誰が、何のためにあんなメッセージを送ってきたのだろうか。

仕事をしていても、思わずパソコンを打つ手が止まり、考えに耽ってしまう。私は深いため息をついた。

昨夜からずっと、あの奇妙なメッセージが頭にこびりついていた。

『いますぐ、クロカワコウキとの婚約を破棄しろ』

あの後すぐに相手のアカウントを調べてみたけれど、文字と数字が脈絡なく並んだその名前に、心当たりはなかった。アカウントは非公開。これでは誰なのかさっぱりわからない。

ふと、昨夜会った凛香の顔が脳裏に浮かぶ。私が自分の口から高貴との婚約を報告した人物は、凛香しかいないのだ。

でも親友の凛香が、あんなメッセージを送ってくるはずがない。昨日だって、彼女は祝福してくれた。

だとすると、昨日会社で詮索してきた2人だろうか?私は、結菜と藍の顔をそっと盗み見る。

しかしすぐにその考えを打ち消した。2人には婚約したことを言っていないし、そもそも高貴の名字しか伝えていないのだから。

私の周りにいないとすると、高貴の知り合いなのかもしれない。そう思って今朝、高貴にLINEで、あることを尋ねた。

『高貴は私と婚約したこと、誰かに話した?職場にいつ伝えたらいいか、ちょっと気になって…』

彼に不審がられないよう、そんなメッセージを送ったのだ。

でも、先ほどきた返事はノーだった。

『まだ話してないよ。時期は一緒に考えていこう』

高貴の返信を見つめながら、私は考える。

高貴が周りに軽々しく言う訳ないのだ。彼は慎重で口が堅く、段取りを大切にする男だ。私との結婚は、もっと進んでから周りに報告するだろう。

じゃあ、一体誰が?

高貴に伝えたほうがいいかもしれないと一瞬考えたが、そんな奇妙な連絡をして、彼に引かれてしまうのだけは避けたかった。

この記事へのコメント

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あか姐
変なメッセージを「送る」女なら引かれたり嫌われたりするだろうけど、送りつけられて何で「いわくつきの女」なの?痴漢性犯罪の「被害者側にも落ち度があった」的思考?ふざけんな、100%加害者が悪いわ。
2018/12/23 05:1699+返信9件
No Name
黒髪の美女というと、ひとみがチラチラする((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
2018/12/23 05:5899+返信3件
No Name
高貴に相談しない理由はないよ、結婚するのに。なぜ嫌われたくないになるかねぇ。
2018/12/23 06:5099+
もっと見る ( 67 件 )

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