恋と友情のあいだで 〜里奈 Ver.〜 Vol.18

「離婚したい」妻の決断に激怒する、浮気性の夫。彼が態度を急変させた、驚愕の理由とは

―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?

誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。

でもー。

幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。

人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。

運命の悪戯が、二人の人生を交差させる。これは、女サイドを描いたストーリー。

7つ年上の直哉との結婚した里奈は、サークルの同窓会で再会した廉と結ばれるが、間も無くして破局を迎える

その後、ついに直哉の子・玲美を出産するが彼の浮気性が再発し、里奈は離婚を考え始めた。


「離婚したい」

とうとう直哉にそう告げたとき、私は妙に冷静だった。

一方、直哉は想像以上に激しい抵抗を見せたし、多くの暴言も浴びせられ、やり場のない怒りをぶつけられた彼自身のお気に入りの家具には傷もついてしまった。

「ふざけんなよ。お前、寝言言ってんの?あり得ないだろ」

直哉が繰り返したセリフの通り、まだ1歳にもならない娘を抱えて離婚を希望する母親なんて、実際に非現実的なのだろう。

それでも私は、自分でも不思議なくらいに頑なで、むしろ直哉にキツく当たられるほど、離婚への意思は強く固まっていった。

との恋に溺れていたときですら、離婚をこれほど現実的に考えたことはない。

不倫の末に本気で愛した男との未来を諦め、さして深い愛情を持っていたわけでもない夫の子どもを産み、その挙句に離婚を決意する。

なんてどうしようもない女だろうと、自分でも思う。

帰らない夫を待つ孤独な日々が辛かったから。彼の浮気に我慢ができなかったから。そして、これ以上彼の子どもを産む気になんてなれなかったから。

別れを望む理由を挙げればキリがない。

でもこのとき私は何よりも、そんな男にいつまでも従い続ける情けない母親の姿を、これ以上愛する娘に見せたくないと強く思ったのだ。

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