港区女子の終点 Vol.8

“港区女子=モデルやタレントの卵”は、もう古い。進化した港区女子の新たな勢力図とは

港区女子。

それは港区に夜な夜な集う、得体の知れない女性たち。

煌びやかで豪勢な生活を送る彼女たちだが、いつか“強制的に”この街を卒業する時がやってくる。

果たして、その後の人生は、幸せなのだろうか?

これまで、20代でいい思いをし過ぎて自分を見失った美咲千葉の実家に戻った由梨、食事会で女の子を呼ぶ手配師となった美紗子などを紹介してきた。

甘い蜜を存分に吸った、港区女子の末路とは・・・?


—港区女子。

ひと昔前は、そんな言葉はなかったような気がする。

私が、そう呼ばれるようになったのはいつからだろうか。
この街にいると、言葉にしなくても分かるのだ。

港区女子が滅びることは永遠にない、と・・・



「麻莉奈ってさ、可愛いけど中身がないよね」

お手洗いへ行って席へ戻ろうとした際に、友人の夏実が私の彼氏である拓郎にそう話していたのを偶然に聞いてしまったのは、3年前の夏の終わりだった。

酔っ払っていたのかもしれない。だが人の彼氏にそんなことを言う女友達なんて、一体どこにいるのだろうか。

「そう?麻莉奈は可愛いし、それでいいんじゃない?」

拓郎がそうフォローしてくれたことに救われるが、どんな顔をして席に戻れば良いのか分からず、思わず立ち尽くす。

「なになに?何の話をしているの〜?」

とりあえず何も聞いていないフリをして席に戻るが、夏実は笑顔でこう言い放った。

「あ、麻莉奈が戻って来た♡麻莉奈って可愛いよねって言っていたんだよ〜」

—怖っ…。この虚構の“友達ごっこ”にも疲れたなぁ。

上っ面だけの人間関係への虚しさを、私は肌で感じていた。

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