恋と友情のあいだで 〜里奈 Ver.〜 Vol.5

「俺と別れたら困るだろ?」ただの“浮気”では済まない。妻が絶望した、ハイスペ夫の冷酷な本性

―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?

誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。

でもー。

幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。

人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。

運命の悪戯が、二人の人生を交差させる。これは、女サイドを描いたストーリー。

派手な女子大生生活の後、総合商社での理不尽な社会人生活に疲弊した里奈は、7つ年上の直哉との結婚した

裕福な人妻となった里奈は、との距離も開いていくが、新たな波乱の予感が...?


直哉との結婚生活は、とても順調だと思っていた。

彼は私に何不自由ない優雅な暮らしと自由を与えてくれたし、夫婦関係だって、むしろ恋人時代よりも良好だった。

劇的にロマンチックな恋愛婚というわけではなく、言ってしまえば、お互いの条件やタイミングが揃った上での理性的な結婚ではあったかもしれない。

けれど、直哉への愛情は時間と共に着実に育っていたし、私は自分を幸せな女だと確信していた。

「俺たちは本当に相性が良いよな。結婚しても、こうして変に所帯染みずにいられてさ。リナは俺の理想の奥さんだよ」

直哉は度々こんな風に私たちの関係を満足気に語っていたが、それは私も同意見だった。

例えば周囲を見渡してみると、愛が深くとも夫婦共働きで細かい家計を気にしている女もいれば、逆に財産目当てでうんと年上の男と愛のない結婚をする女もいる。

そういった家庭と比べれば、私たちはバランスのとれた理想的な夫婦だ。

子どもはゆくゆく、私が20代のうちに産むことができれば問題ないと直哉は言ったし、子どもができても彼はきっと良い父親になるだろうと、私は根拠もなく漠然と思っていたのだ。

結婚生活も仕事も、その他プライベートも、本当の意味で巧妙にバランスをとっていたのは、夫だけであったことなんて全く知らずに。

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