恋と友情のあいだで 〜里奈 Ver.〜 Vol.4

「年収1,000万の商社マンとは、住む世界が違う」。裕福な経営者妻の、僭越と嫉妬

―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?

誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。

でもー。

幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。

人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。

運命の悪戯が、二人の男女の人生を交差させる。これは、女サイドを描いたストーリー。

派手な女子大生生活を送っていた里奈は、総合商社に入社したものの、理不尽な社会人生活に疲弊し、7つ年上の直哉との結婚を決めた


アントニオリーヴァのウェディングドレス、マノロブラニクのウェディングシューズ、そして、ティファニーの1.6カラットダイヤの婚約指輪。

花嫁になるというのは、やはり女にとって、幼い頃からの憧れである潜在的な夢が叶うのに等しいのだろう。

私はもともと友人の多いタイプではないが、直哉の希望により『ジョエル・ロブション』にてそれなりの規模で行なわれた結婚式は、まさに一生モノの思い出と呼べる感動的な1日になった。

友人の祝福、家族の涙、そして、永遠の愛を誓ってくれた一人の男。

幸せで笑顔が溢れ、嬉しくて涙もたくさん出た。

普段は捻くれ者の私も、この日ばかりは、誰もが口にする“末永い幸せ”を心から信じて疑わなかったと思う。

そしてこのとき、参列者の中には確かにいたはずだった。

なのに、私の記憶の中には不思議なほど彼の姿が残っていないのは何故だろう。

人生最高の日を満喫する私にとって、廉の存在など目に入らなかっただけなのか。あるいは、自ら意識的に彼を視界に入れないようにしていたのだろうか。

いずれにせよ、廉がこの日どんな思いを抱えて同じ場所にいたのか、私は微塵も考えていなかった。

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