一度は足を運んでみたい高級店や、知る人ぞ知る紹介制の店。そんな場所でとっておきの体験をさせてくれるのが、港区おじさん的人々だ。様々なタイプがいる彼らの、唯一の共通項は“ワインに詳しい”ところだ。
そこで、ワインジャーナリストの柳忠之氏に、港区おじさんとワインの関係性を聞いてみた!
Q.港区おじさんのような大人たちは、揃ってワインにこだわります。どうしてなのでしょうか?
――柳さん、今回から編集を担当させていただく嵩倉です。クラリンと呼んでくださいね(うふっ♡)。
柳「おっ、よろしく!クラリン。」
――早速ですが、柳さん。先日、友人を連れて西麻布のワインバーで飲んでたら、隣のおじさまがぶつぶつと何やら呪文を唱えてまして……。
柳「あれ?この展開、1年前にもあったような。まっ、いいか。それで、その港区おじさんは何て言ってたか覚えてる?」
――スリがどうしたとか、50万がなんたらとか。
柳「その港区おじさん、シャンパン飲んでたでしょ。
――えっ、はい、その通りです。どうしてわかったんですか?
柳「スリはシュール・リーのことで、ワインが澱と一緒にある状態。ゴジュウマンは澱抜きを意味するデゴルジュマンだと思う。どちらもシャンパンでよく使われる用語だ。それでクラリンはどん引きしちゃった?」
――いえ、ワインを語れる男性ってかっこいいなと思いました。
柳「そこがモリリンと大きく違うな。探究心があってとてもよろしい」
超高級ワインとは現代の曜変天目茶碗なり
――ところで港区っぽいおじさまにはワイン通が多い気がしますけど、何か理由があるんですか?
柳「う〜ん、考えてみれば、景気の良い企業の経営者にはワイン通と言われる人が多いよね。それからそうした人たちが好むワインって、ボルドーの五大シャトーやブルゴーニュならDRC(ロマネ・コンティの生産者)など頂点に君臨する逸品。
これらのワインは今や投機対象になってるくらいだから、港......
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