駐妻【ちゅうづま】―海外駐在員の妻。
数多の平凡な妻の中で、一際輝くステータス。それは期間限定のシンデレラタイム。 そして普通の女に与えられた「劇薬」。
共通点はただ一つ、夫について、海外で暮らしていること。
駐妻ワールド。そこは華麗なる世界か、堅牢なる牢獄か。
夫・彬の赴任に伴い、タイ・バンコクに来た里香子。駐妻たちのマウンティングに意気消沈しかけ、会社の奥様会でも違和感を覚えるが、バンコクで働く友人ケイと、同じく駐妻の雪乃に励まされる日々。
一方、友人の雪乃は、夫・仁志が「女連れで空港にいた」とケイからの目撃情報が入ったことをきっかけに、夫の女遊びを知ってしまうのだった。
そして里香子も、念願の昇進を果たした夫・彬に言われた言葉がきっかけで、ついに抑えていた感情があふれ出す―。
「私は、友達もキャリアも全部東京に置いてきたのよ、前と同じでいられなくて当たり前じゃない…!」
気がついたときには、里香子は声を荒げ、そう口走っていた。
昇進の報告とともに彬の口から放たれた、「東京にいた頃みたいに頑張れ」という言葉。その無神経な一言に、里香子の自制心は軋......
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この記事へのコメント
あきらを擁護するつもりもないですが、きっとあきらは、りかこになんでも話して、助言を仰いできたのかなと。だから、りかこにもそうして欲しかったのかなと。
りかこはもう少しあきらに他愛ない日常に感じたことを話したり、そのなかで「私頑張ってる?」と言葉に出して聞いていれば良かったかなと思います。駐妻ではないけれど、私もキャリアや友人と離れて、転...続きを見る勤族の主人と結婚して、子供に振り回されてると、時々無性に承認欲求に駆られます。その時に、主人に「私頑張ってるよね?」と聞いて、「よくやってくれてる」と言われると、ほっとする自分がいます。
あきらだけでなく、日本人の男性は口に出して妻を誉める機会は、本当に少ないからこそ、女性が自分から誉めて!とアピールすることで不満を解消することも、理解ある奥さんだけでいること以上に大事なのかなと思いました。