ふぞろいな駐妻たち Vol.3

「駐在妻の特権」は期間限定の劇薬?日本では“中の上”クラスの女が手に入れた、カリスマ駐妻ライフ

駐妻【ちゅうづま】―海外駐在員の妻。

数多の平凡な妻の中で、一際輝くステータス。

それはちょっとした幸運で手に入れた期間限定のシンデレラタイム。

彼女たちがこれまでの人生で何を夢見て、何に泣き、何を喜び、何を成し遂げたのか、ここでは誰も知らない。

共通点はただ一つ、夫について、海外で暮らしていること。

駐妻ワールド。

そこは華麗なる世界か、堅牢なる牢獄か。


夫・彬の赴任に伴い、タイ・バンコクに来た里香子。

彬の会社の婦人会から届いた花束を見て、ロンドン留学中に嫉妬に狂った駐妻から衝撃的な電話がかかってきたことを思い出し、一抹の不安がよぎる。

友人・雪乃と共にタイ語教室に通い始めるも、そこではマダムたちが駐妻マウンティングを繰り広げていた

果たして里香子の行く末は―?


「それで里香子の駐妻番付はどこらへんになったわけ?」

ケイがドライマティーニを飲みながら、笑いをこらえて言った。ロンドン留学時代と変わらないすらりと細い脚は、パンツスタイルを引き立たせている。

ケイは、3年前からバンコクの日本人向け情報誌の編集者として働いている。この半年......


この記事へのコメント

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No Name
何よりもタイは相続税が無いことに驚きでした。
2018/05/31 05:2999+返信2件
No Name
一番最後の彬と里香子のシーン。
夫に帯同した最初の頃、同じような会話をしたことを思い出してじんわり涙が出ました。
今まで自分で築き上げたものは何も無いけど、やっぱり着いて来て良かったと思える瞬間です。
2018/05/31 05:4999+返信1件
No Name
キャリアを失いブランクを抱えて年もとり、本帰国後の求職活動は苦労したけれど、専業主婦を初体験したり、あのくだらない駐妻の世界を見知り、「日本の常識は世界の非常識」を体感したり、地元の方達と交流を深め色々助けて頂いたり、ボランティアと称して語学教えたり文化交流に参加した経験は、自分を強くしてくれて、仕事復帰した今に良い影響を与えてくれているとは思います。
2018/05/31 06:0699+返信2件
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