駐妻【ちゅうづま】―海外駐在員の妻。
数多の平凡な妻の中で、一際輝くステータス。それは平凡な女の、「劇薬」タイム。
そこでは彼女たちのこれまでの人生を、誰も知らない。共通点はただ一つ、夫について、海外で暮らしていること。
駐妻ワールド。そこは華麗なる世界か、堅牢なる牢獄か。
夫・彬の赴任に伴い、仕事を辞めてタイ・バンコクに来た里香子。会社の婦人会から届いた花束を見て、ロンドン留学中に嫉妬に狂った駐妻から衝撃的な電話がかかってきたことを思い出す。
バンコクの駐妻が集うタイ語教室に通い始めるも、さっそくマダムたちのマウンティングランチに辟易する里香子。
意気消沈しかけるも、バンコクで働く友人・ケイと雪乃に励まされ、彬を支えて頑張ろうと決意を新たにするが―。
ーこれは、いくら何でも大人げないんじゃないかしら…。
いつまでも独りぼっちのテーブルで、里香子は考えこんでいた。
今日は、彬の会社の婦人会が里香子の歓迎会ランチを催してくれるというので、指定の高級割烹料理店にやってきたのだ。
お近づきのしるしに渡そうと、船便ではなく......
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この記事へのコメント
本当にこういう方々っていらっしゃるのでしょうか?
元々バリバリ働いていた人間が専業主婦になるだけでも精神的に辛くなるのに、異国の地でこの独特の人間関係とは…
彬さん、もうちょっとしっかりしてください。
華やかな習い事なんぞ全くなく今日も市場に行きぶら下がった肉を1キロ買い凍らせて半解凍して薄切りする生活。