ふぞろいな駐妻たち Vol.4

“奥様会の洗礼”に頭を抱える新米駐妻。駐在中の夫婦仲に亀裂を走らせた、夫の余計な一言とは?

駐妻【ちゅうづま】―海外駐在員の妻。

数多の平凡な妻の中で、一際輝くステータス。それは平凡な女の、「劇薬」タイム。

そこでは彼女たちのこれまでの人生を、誰も知らない。共通点はただ一つ、夫について、海外で暮らしていること。

駐妻ワールド。そこは華麗なる世界か、堅牢なる牢獄か。


夫・彬の赴任に伴い、仕事を辞めてタイ・バンコクに来た里香子。会社の婦人会から届いた花束を見て、ロンドン留学中に嫉妬に狂った駐妻から衝撃的な電話がかかってきたことを思い出す。

バンコクの駐妻が集うタイ語教室に通い始めるも、さっそくマダムたちのマウンティングランチに辟易する里香子。

意気消沈しかけるも、バンコクで働く友人・ケイと雪乃に励まされ、彬を支えて頑張ろうと決意を新たにするが―。


ーこれは、いくら何でも大人げないんじゃないかしら…。

いつまでも独りぼっちのテーブルで、里香子は考えこんでいた。

今日は、彬の会社の婦人会が里香子の歓迎会ランチを催してくれるというので、指定の高級割烹料理店にやってきたのだ。

お近づきのしるしに渡そうと、船便ではなくわざわざ航空便に入れておいた茅乃舎の出汁5個パックを30セット携えて。

里香子が店に入ると、数人の幹事と思しき女性たちに「主賓ですから」といくつかあるテーブルの中央席に通された。

しかし後から来る人来る人、里香子をちらりと一瞥すると、離れたテーブルで集まってしまう。

気が付いたときには、里香子のテーブルだけがガラリと空いており、独りポツンと座っていたのだった。

いつの間にか料理が運ばれてきて、食事会はスタートしている。

―ここでポツンと座ってても仕方ないわ…。

里香子は意を決して立ち上がった。

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