エビダン! Vol.7

男の人生は“28歳”が分岐点?起業したがる男を、冷静に見極める女たち

都内でも住みたい街の上位に、常にランクインする恵比寿。

仲間と肩肘張らず楽しめるお店がたくさんあり、便利で、何より賑やかな街である。

ベンチャー系IT企業に勤めるサトシ(28)も、恵比寿に魅了された男の一人。

顔ヨシ・運動神経ヨシ・性格ヨシで、学生時代から人気者だったサトシは、その社交性から遊ぶ仲間には事欠かない。

食事会で出会った杏奈に、サトシは一目ぼれする。しかし杏奈は、学生時代は冴えなかったが、現在外銀勤めの龍太に心奪われていた。そんな中、サトシは杏奈から突然呼び出される

一方の龍太は、杏奈がサトシと二人で飲んだと聞き、戸惑いを隠せなかった


「……俺さ、転職するか起業したいなと思って」

恵比寿の『板蕎麦 香り家』での僕の突然の告白に、裕太は蕎麦をすする手を止めて、驚いた表情を見せた。

「いいと思うけど、えらい突然だな?」

誰にも言わなかったが、転職や企業を考え始めたのは最近ではない。

僕はIT業界に憧れて、いまの会社に入った。仕事は楽しいし、それなりの評価を受けていると思う。

しかしこのままでいいのか?と問われると、自信がない。自分にはもっと何かできるのではないかという思いが、ここ数年、ずっと頭から離れないのだ。

あと2年で、30歳になる。

挑戦するならば、いましかない。時間だけは、どうやっても取り戻せないのだ。

「…28歳って、男の分岐点じゃない?」

僕がそう言うと、裕太は「まぁな」と神妙にうなずいた。

男にとって、自分を測る指標の一つとなる“年収”に差が出はじめるのが、ちょうど今くらいの年齢だ。いまの会社では、熾烈な争いを経て役員にでもならない限り、1,200~1,500万くらいが限界だろう。

もちろん僕のくすぶっていた気持ちに火がついたのは、龍太との再会が大きく関係している。同じ28歳で年収2,000万以上稼ぎ始める奴を目の当たりにし、焦る気持ちが出てきたのだ。

「そっかぁ…。いまの会社も楽しそうだけどな。まぁ、サトシならどこへ行っても大丈夫か」

親友のその言葉に、ぽんっと背中を押された気がした。

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