金より愛子 Vol.10

「人気者の彼女が、羨ましくてたまらなかった」10年間劣等感を募らせた女が脱ぎ捨てた、“親友”の仮面

結婚に必要なのは、お金or愛?

それは、女にとって永遠のテーマである。

“最後は愛が勝つ”と信じたくてもそれは理想論だということに、女たちは徐々に気づいていくのだ。

しかし「お金より愛が勝つ」と言い切る、ある女がいた。

その名は、愛子。

金に目がない女だらけの東京において、愛子は信念を貫き、幸せな結婚生活を勝ちとれるのか?

広告代理店で働く29歳の愛子は、婚約者の知樹と幸せな毎日を過ごしていた。プロジェクトが中止となりショックを受けていた愛子の元に、御曹司・翔太から転職の話を持ちかけられるも、断ることを決意する

一方、同時期に医者との結婚を決めた親友の明日香は、結婚式で愛子との絶対的な差を見せつけることを心に誓っていた。


玄関の鍵がガチャリと音を立てたのに気がついて、ソファで寝落ちしていた明日香はハッと飛び起きた。公平がようやく仕事から帰ってきたのだ。

「公平さん!おかえりなさい!あのね、聞いて聞いて、ウェディングドレスなんだけどね…」

明日香がウェディング雑誌を投げ出して駆け寄ると、公平はぐったりと疲れた顔を見せて言った。

「明日香、ただいま。ごめんね、今日すっごく疲れてるんだ…。その話は明日でもいい?」

「えっ…でも帰りが遅いのは、明日も変わらないでしょ…?」

「うん、でも式をあげる9月まで、まだたっぷり時間はあるんだから、焦ることないよ」

にっこり笑って明日香の頭を撫で、公平はシャワーを浴びにバスルームに閉じこもってしまった。

—たっぷり時間はあるって言うけど…ヴェラ・ウォンのドレスはオーダーメイドだから仕上がるまでに何ヶ月もかかるのに…。

しょんぼりした明日香がソファで膝を抱えていると、シャワーを終えた公平が明日香の様子に気がついたのか、優しく声をかけた。

「結婚式のことは、明日香の好きなように決めていいよ。予算は気にしなくていいからね」

その一言で、途端に明日香は機嫌を直す。

「予算気にしなくていいって、本当?ドレスも小物も?引き出物や引き菓子も、オーダーメイドの持ち込みにしてもいい?」

公平は、うんうんと笑顔で頷きながら、さっさと寝る支度をしてベッドルームに行ってしまった。

明日香はルンルン気分で、「エルマリアージュ」や「ヴォーグウエディング」を再び1ページ目からめくるのだった。

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