金より愛子 Vol.9

「僕ならあなたを苦労させないのに。」婚約者よりも高い年収を稼ぐ女を惑わす、御曹司の甘い囁き

結婚に必要なのは、お金or愛?

それは、女にとって永遠のテーマである。

“最後は愛が勝つ”と信じたくてもそれは理想論だということに、女たちは徐々に気づいていくのだ。

しかし「お金より愛が勝つ」と言い切る、ある女がいた。

その名は、愛子。

金に目がない女だらけの東京において、愛子は信念を貫き、幸せな結婚生活を勝ちとれるのか?

広告代理店で働く29歳の愛子は、婚約者の知樹と幸せな毎日を過ごしていた。愛子が担当していたプロジェクトが中止となりショックを受けていた矢先に、愛子は御曹司・翔太の姉から転職の誘いを受ける。


「愛子、知樹くんとはその後、うまくやってる?」

今日、愛子は2つ歳上の姉に誘われて、『酒呑』で姉妹水入らずの食事を楽しんでいる。笑顔で頷く愛子を前に、姉は遠い目をした。

「いいなあ。私も新婚当初は、愛子みたいに幸せだったのになあ…」

「お姉ちゃんたら、この前から一体どうしちゃったの?旦那さんと何かあった?」

愛子が心配して尋ねると、姉は暗い顔で、夫への愛情が最近冷めつつあるのだと答えた。

テレビ局の番組ディレクターとして、男たちに混ざって激務をこなす姉。そんな彼女が、仕事でくたくたに疲れて家に帰ると、ソファに転がりながらテレビを見て爆笑する旦那に、無性にイライラすることがあるという。

「相変わらず私の仕事はハードで、でもその分給料は付いてくる。だけど今の生活レベルを保つには、これからも一生私が働いて、このハードワークをこなし続けるかと思うと、時々気が遠くなるの。一方旦那は…」

自分はこうして必死で働いているというのに、年収は姉の半分程度で、かといって出世欲にも欠ける呑気な夫を見ているうちに、彼を敬う気持ちがすっかり無くなってしまったと言うのだ。

「お金で愛は買えないけど、お金は愛を繋ぎとめるものにはなりうるかもしれないね。いい歳して今更気がつくなんて、自分で自分が情けないわ」

そして姉は続けた。

「年収で結婚相手を選ぶ女のこと、昔は理解できなかったけれど、今となっては心から思う。そっちの方が、何倍も賢いわね」

悲しそうな瞳でため息をつく姉に、愛子はかける言葉が見つからなかった。

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