エリート亮介の嫁探し Vol.13

エリート男を手に入れるためには、手段を選ばない?策に溺れた女が迎えた、無残な結末

運命の再会


そんなことをすっかり忘れていた4ヶ月前のある日。仲の良かった友人の誕生日会をしようと、5人でグランドハイアットの一室を借りて、ちょっとしたパーティーをしていた。

朝方、眠れなかった私は、朝食までに少し散歩をしようと、けやき坂を歩いていた。そこで偶然、亮介さんが六本木のマンションから、ジョギングウェアを着て出て来たのを目撃した。

ーあれは間違いなく亮介さんだ。日本に帰ってたんだ…。その上六本木に住んでるなんて。こんな風に会えたのは、やっぱり運命だったんだ。

そう思わずには、いられなかった。たまたま家が赤羽橋だったこともあり、ジョギングで彼に近づこうと思った。朝早いのは辛いが、自転車でも行ける距離だし。

亮介さんは初め、少し警戒心を見せたので、咄嗟に彼氏が居ることにした。すると安心したのか、徐々に仲良くなっていった。

ー思い描いていた通りの素敵な人だわ。

彼に出会ってからダイエットを始めて美容に気をつけるようになった私には、亮介さんは特別な存在だ。会えば会うほど、次第に思いは強くなる。

さらに自分を印象付けようとマドレーヌを渡した時も食べてくれた。手作りだと言わなくても分かるように、膨らんだ時に“いびつな形”になるように量を調節したのだ。それが功を奏して、“手作り“に反応してくれた。

そしてこのままタイミングを見て、「彼氏と別れた」と言って急接近する予定だったのに、思わぬ邪魔者が入った。

それは例の美人、里緒さんだった。

亮介さんと再会して以来、私はお気に入りのけやき坂のスタバによく通っていた。亮介さんに偶然会える事を期待して。

そこで、彼が例の美人と歩いているのを見かけたのだ。弟から、同じ会社の一ノ瀬里緒だと聞いて知っていたが、まさか今も会っていたなんて…。

ー先ずはライバルの情報を知らなければ…。

すぐさま弟に調べさせた。昔から私の言うことを良く聞く、可愛い弟なのだ。

彼が言うには、里緒さんは辞める際に、男性関係で色々と揉めたらしい。

ーそんな女に騙されて、亮介さんが可哀想…。

だから私は、親切心で彼に教えてあげた。”女の友人がコーヒーショップで働いていた”と嘘をついて。

自分の苗字を“間(あいだ)”だと名乗らなかったのは、弟のことを隠したかったからだ。レストランで“はざま” と言ったのは、何かの際に免許証などを見られても大丈夫なように。

ーそろそろ、亮介さんも落ちるかも?

そう思っていた。しかしー



恵を疑いだしてから、メールもあまり返さなくなった。けれど、真相が分からないのでどうしたものか…。

しかし、その亮介の予感が確信に変わる日は、ある日突然やって来た。

「おはようございます。」

朝のジョギングで、久しぶりに恵と会った。最近はすっかり会わなくなったので、もうやめたのかと思っていたが。

「そう言えば今度、日本人の風景写真家の展覧会があるみたいなんですけど、よければ一緒に行きませんか?」

友達として誘っているのか、狙っているのか…、どちらにせよ、もし自分の考えが当たっていたら厄介だ。亮介は少しカマをかけることにした。

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