東京シンデレラ Vol.13

20代で東京の“オイシイ”所を知ってしまった女が、30代になって辿り着いた境地

私たちは、東京にいる限り夢を見ている。

貧しい少女にガラスの靴を差し出す王子様が現れたように、いつかは幸せになれると。

だが必ず、自分が何者でもないと気づかされる時が来る。

神戸から上京し、港区女子へと変貌を遂げる真理亜と、その生き様を見つめる彩乃。

彼女たちが描く理想像は、現実なのか、それとも幻なのか...

真理亜に嫉妬しながらも、東京でもがきながら生きる彩乃。 20代をタクシー代で稼いでいた女の末路を見て安堵するが、遂に東京で幸せを見つけた

一方、真理亜はどんな幸せを見つけたのだろうか・・?


—幸せになりたい。

誰もが、そう願う。でも一体、“幸せ”って何なのだろうか。

見えない出口に向かって、私たちは歩いていく。

東京という、まるでブッラクホールのような大都市で生きながら、永遠に何かを探し求めながら。



「真理亜さん、明日のプレゼン資料見て頂けましたか?」

アシスタントのミナちゃんの一声に、私は慌てて答える。

「ごめん、忘れてた...今すぐチェックするね。」

海外発のコスメ関連会社を立ち上げて約3年。それなりに事業は軌道に乗り、社員を数名雇えるまでになった。

立ち上げ当初はどうにも首が回らない時期があり、手持ちの鞄や時計を切り売りしていたこともある。けれども、手放した物達に何の未練もない(むしろ今となっては笑い話である)。

ミナちゃんが作成してくれた資料に一通り目を通してから、私は慌てて会社を出た。

今日は久しぶりに松田さんと会う約束をしていたから。

待ち合わせの『青山 彩』へ向かうと、松田さんはすでに一人でビールを飲んでいた。

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