東洋経済・東京鉄道事情 Vol.65

勘弁して!朝の通勤時間帯で、大手私鉄いちばんノロノロ運転選手権

トップバッターは東武鉄道。都心に乗り入れる同社の路線は、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)と東上線の2つだ。

東武スカイツリーライン(東武動物公園─浅草・41.0キロメートル)には、浅草へ向かう列車と、途中の北千住から東京メトロ日比谷線に乗り入れる列車、押上から東京メトロ半蔵門線に乗り入れる列車の3系統がある。

朝ラッシュの時間帯、東武動物公園駅発浅草行きは区間急行しかない。区間急行が通過する各駅に行く場合はどうすればいいかというと、東京メトロ半蔵門線直通の準急か、東京メトロ日比谷線直通の普通を利用することになる。

3系統の列車は目的地だけでなく種別も別々で、役割を分担しつつ多くの乗客を効率よく運んでいるわけだ。

ともあれ、本題に戻ると東武動物公園―浅草は区間急行が所要時間63分、表定速度39.0キロ。もう1系統の東武動物公園─押上は準急と急行のみで、準急のほうが当然遅く、所要時間64分・表定速度37.4キロだ。

最も遅いのは日比谷線直通の普通で、東武動物公園―北千住間を60分・表定速度33.9キロで走る。

西武新宿線各停と拝島線準急はどっちが遅い?

続いて東武東上線(小川町─池袋・64.9キロメートル)だが、これも小川町発は急行と準急しかない。

だが、急行といっても12駅先の川越までは各駅に停車するし、準急にいたっては23駅先の成増まで各停だ。東上線はこのようにベッドタウンである埼玉県内の各駅から乗客を乗せ、都心に近づいたところで一気に駅をとばして走るのだ。

面白いことに、急行も準急も最も遅い列車は所要時間が同じで83分。表定速度は46.3キロである。

次いで西武鉄道。まずは西武池袋線(飯能─池袋・43.7キロメートル)からだ。この時間帯、飯能駅からは急行、通勤急行、快速急行、快速と多種多様な優等列車が発車するが、各駅停車はない。

所沢までは快速急行を除く各種別が各駅に停車するためだ。最も遅いのは快速で、所要時間67分、表定速度は39.1キロだ。

西武新宿線(本川越─西武新宿・47.5キロメートル)は本川越から西武新宿行きの各駅停車があり、所要時間77分・表定速度は37.0キロだ。

大半の列車が同線に直通する西武拝島線(拝島―西武新宿・36.9キロメートル)の拝島発は、今回の調査の対象となる時間帯は急行と準急のみ。

8時台に各駅停車が1本あるものの、西武新宿到着が9時30分を過ぎるため、こちらは対象外。準急の所要時間は62分で、表定速度は35.7キロだ。

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