薔薇色のバツイチ Vol.8

バツイチ女に、決定的に欠けていた感情。これがない結婚は、互いを苦しめるだけ

東京で30代前半のバツイチ女性は、モテる。

とにかくモテて、モテすぎる。

30代前半に限れば、結婚経験のない女性よりもバツイチ女性の方がモテるといっても過言ではないらしい。

計らずともバツイチとなり、落ち込んでいたあゆみ(32歳)だったが、離婚の先には薔薇色のバツイチ生活が待っていた!?

離婚後、急増した男性からの食事の誘い。不思議に思っていると、同じくバツイチの松岡から「バツイチ女性はモテる」と説かれる。

数人の男性とのデートを重ねる中、元夫から再婚の報告が入り気落ちするあゆみだが……。


元夫に見せた、最後のプライド


「まさか、今さら後悔してるの?」

土曜の夜、あゆみは近所に住む女友達を呼び出して相談することにした。

桜井に会い、なんだか気持が沈んでいた土曜の午後、元夫からの再婚報告であゆみの気分はさらに落ち込んでいた。

「あの人、なんでわざわざ再婚の報告なんかしてくるのかしら」

あゆみが言うと、女友達に意地悪な目を向けられ言われたのだ。

「後悔してるの?今さら惜しくなった?」
「そんなことないわよ。離婚に後悔はない。でも、離婚してまだ半年くらいよ?それなのにもう再婚なんて言われると、離婚する前からそういう関係だったのかしらって、疑いたくもならない?」
「もし、被ってる時期があったとしたら、わざわざあゆみに連絡してこないでしょう」

そう言われて、あゆみはぐうの音もでなかった。確かにその通りだと思う。やましい事があれば、わざわざ報告の連絡なんて寄こさないだろう。

元夫は、倫理に背くことなくきちんとした手順で新たな幸せを掴んだのだろう。

「で、ちゃんと返信したの?」

そう聞かれて、半ばふてくされてあゆみは答えた。

「返したわよ。おめでとうございますってひと言だけ。何も返さず既読スルーなんてしたら、器の小さい女と思われるじゃない」

それだけが、あゆみのプライドだった。

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