2016.12.25
薔薇色のバツイチ Vol.2東京で30代前半のバツイチ女性は、モテる。
とにかくモテて、モテすぎる。
30代前半に限れば、結婚経験のない女性よりもバツイチ女性の方がモテるといっても過言ではないらしい。
計らずともバツイチとなり、落ち込んでいたあゆみ(32歳)だったが、離婚の先には薔薇色のバツイチ生活が待っていた!?
離婚したことが周りに知られるようになったある夜、あゆみのスマホが鳴りやまなくなった!どれも男性からの食事の誘いで、一体何が起こっているのか、困惑するあゆみだが……?!
バツイチ同士のデートで、自分の価値を知らされる
「どうも、お久しぶりです」
あゆみはニコリと微笑み、ワイングラスを合わせた。目の前に座る松岡も、41歳の男性らしく、目尻に皺を寄せて深みのある笑顔を向けて来た。
松岡は、あゆみが勤務するインテリア会社の取引先で、大手百貨店の営業戦略部で部長をしている男だ。
これまで、何かのプロジェクトの区切りや担当者の異動のタイミングなどで、会食を重ねた相手だ。
松岡も離婚経験者で、もう何年も一人でいるはずだ。百貨店に勤務している男らしく、彼のファッションはいつも隙がない。現役感をプンプン漂わせ、女性の影が絶えないことは容易に察しがつくような男だ。
あゆみが松岡とこうして二人で会うのは今夜が初めて。彼が予約していたのは銀座のフレンチ『アジル』だ。フレンチの名店『エスキス』が2016年にオープンさせたばかりの姉妹店で、松岡はレストラントレンドもしっかり押さえている。
(※『アジル』は、現在閉店しております。)
―これってやっぱり、デートかしら……。
松岡がどういうつもりで突然誘ってきたのか、その理由を推し量りながらあゆみはグラスに口を付けた。
「ところであゆみちゃん、離婚してどうだい?モテてるでしょ?」
あゆみがまだ入社間もない頃から知っている松岡は、32歳になった今でも「あゆみちゃん」と呼ぶ。
32歳にもなると、「ちゃん」づけで呼ばれることなんて滅多にない。だが、昔から知っている男にとっては、30を過ぎても年下の女であることに変わりはなく、ちゃんと可愛く思えるものらしい。
「モテるって?どうかしら。そんなことないですケド?」
向こうが年下として可愛がろうとしているのなら、こちらも可愛がられるような態度を決めこむことにした。
「あゆみちゃん、これから僕が言う事は、よぉく覚えておいて。バツイチ女性の現実を僕が教えてあげるから」
松岡は向かい合うテーブルで、身を乗り出すようにして顔を近づけてきた。その表情に僅かな好奇の眼差しが宿っているのを、あゆみは見逃さなかった。
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