第11話:婚活成功の鍵は、「大人」になること?複数同時進行で、相手を見極めろ
優秀な杏子が、こんな精神状態に陥ったのは、初めてのことだった。不安で心細く、自分が自分でないように思える。
杏子は、「魔女の宅急便」のキキが、急に箒で飛べなくなり、猫のジジの言葉が分からなくなってしまったシーンを思い出す。
そう、原因は分かっている。あの物語のトンボみたいな男、正木のせいなのだ。
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第12話:好条件でも論外判定?婚活で最も避けたい「典型的な非モテ男」の正体
―あの夜は、一体何だったの...。
正木の抱擁を思い出すたびに、杏子の胸の奥は、ズキンと痛む。
しかしそんな状態でも、傷心に暮れている暇など一切ないと、直人は言った。
他の男のことで胸を痛めながら、新規の男ともマッチングに挑まなければならぬとは、婚活とは、なんと酷な道なのだろう。
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第13話:傷心の女心に染みる、「元彼」の存在。彼は救世主?それとも...?
「もう、話すことはないわ。」
しかし、咄嗟に杏子の頭をよぎったのは、懐かしさよりも、同期の由香のことだった。万一、知樹の口から「由香と付き合うことになった」なんて聞かされたら、自分はまたショックを受けてしまう。
杏子は逃げるように、足早に恵比寿ガーデンプレイスを歩き始めた。
「待って!俺、杏子のことが、忘れられないんだ!」
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第14話:元彼との一夜で感じる、至福のひと時。不毛な婚活は、もう、したくない。
昨晩、知樹から存分に囁かれた、甘い言葉たち。
「やっぱり、杏子が一番だよ」
「俺に本当に必要なのは、杏子なんだ」
「杏子、好きだよ...」
そんな愛の囁きは、杏子の心の傷と疲れに染み入った。
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第15話:元彼・商社マンから受けた、苦い屈辱。港区の壮絶な婚活事情の実態
これから由香が発しようとしている情報は、間違いなく、杏子を傷つける。杏子の本能が、それを素早く察知していた。これ以上、聞かない方がいい。適当に理由をつけて、今すぐこの場から立ち去った方がいい。でも...。
「な、何となくわかるわ...。どうしたの...?」
知らぬ方が良いとは分かっていても、しかし、杏子はそう聞かずにはいられなかった。
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