硝子の少年 Vol.7

硝子の少年:妖艶な人妻に感じるのは、欲望?それとも嫉妬?迷宮入りした男心

男なら誰にでも、忘れられない女がいる。

美しく、強く、狡猾な女、「エリカ」。

潤にとって忘れられない女は、彼女以外の誰でもない。

フリーライターとして地味な仕事をする潤と、その美貌ゆえに、煌びやかな生活を送るエリカ。彼女に強い想いを寄せる潤だが、当然ながら、まるで相手にされない。

彼女が狙うのは、自分の価値をさらに高められるような、ハイステータスの金持ちばかりだった。

にもかかわらず、潤は、どうして「高嶺の花」であるエリカを追い続けてしまうのか?

長年エリカを想い続ける潤は、何度傷つけられても彼女への想いは消すことができない。しかし、エリカはとうとう結婚してしまった。それから3年後...


30歳を過ぎてから、時の流れは異様に早くなった気がする。

エリカが結婚してから早くも3年が経過し、33歳になった。あれから僕は、がむしゃらに仕事に没頭した。仕事しか、入れ込むことがなかった。

社会的な地位を少しずつでも上げることだけが、エリカを手に入れられなかった惨めさを和らげてくれる、唯一の手段だったのだ。

加奈子とも、あの後すぐに別れることになった。

「潤くんは、私に興味がないんだよね...?」

エリカが結婚したショックで1人で塞ぎ込んでいた僕は、彼女の問いかけに、うまく返事ができなかった。そして心優しい恋人からも見放されてしまった。

もともと寂しがり屋でもなく、1人の時間が嫌いでもなかった。しかし、エリカや加奈子との関係が途絶えると、常に胸が小さく痛むような虚無感に包まれた。

誰かと一緒にいた後に1人になるのは、「孤独」だった。

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