硝子の少年 Vol.6

硝子の少年:激しく怒り、泣き叫ぶ。感情に溺れる彼女が、どうしようもなく愛おしい

男なら誰にでも、忘れられない女がいる。

美しく、強く、狡猾な女、「エリカ」。

潤にとって忘れられない女は、彼女以外の誰でもない。

フリーライターとして地味な仕事をする潤と、その美貌ゆえに、煌びやかな生活を送るエリカ。彼女に強い想いを寄せる潤だが、当然ながら、まるで相手にされない。

彼女が狙うのは、自分の価値をさらに高められるような、ハイステータスの金持ちばかりだった。

にもかかわらず、潤は、どうして「高嶺の花」であるエリカを追い続けてしまうのか?

二人の出会いは学生時代。社会人になってもエリカを想い続ける潤は、「あんたなんて、5点の男」と傷つけられるが、彼女への想いは消えない。潤は現実を直視し、従順な恋人・加奈子と付き合い始めたが、他の男と婚約中のエリカに度々邪魔され...?


「生活感、丸出しの部屋ね。」

突如僕の部屋に現れたエリカは、不機嫌そうに部屋の隅々まで観察している。

今日も彼女は毛皮のコートに身を包み、頭には大きな帽子を乗せていた。

まるで、合成写真のような光景だった。典型的で平凡な一人暮らしの男の部屋に迷い込んだ、高級ブティッ......


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